シャルル・ルクレールは、2025年F1モナコGPを再び複雑な心境で終えることとなった。ホームレースで2年連続優勝の期待がかかる中、惜しくもポールポジションを逃し、決勝でもランド・ノリスを攻略できず2位に甘んじた。日曜のレースでは、ターン1での立ち上がりから終盤までノリスにプレッシャーをかけ続けたが、マックス・フェルスタッペンが代替戦略でスティントを延長した際に一時的にノリスがペースを落とした場面を除いて、決定的なチャンスは訪れなかった。
「正直、結果に満足しているかと言えばそうではない」とルクレールは語った。「でも、結局レースを失ったのは昨日だ。僕たちはもっといい仕事ができたはずだし、ランドの方がこの週末は優れていた。彼が勝者にふさわしい」「去年は子どもの頃からの夢だったホームでの優勝を実現できたけれど、今年は叶わなかった。ただ、この週末を通しての全体的な内容を考えれば、当初の期待を大きく上回っている。正直、トップ10に入れるかどうかも怪しいと思っていたから。結果的に2位で、しかもポールにかなり近かった。だからいい週末だったと思う。でも、やっぱり勝ちたかった」ルクレールは母国モナコで再び表彰台に立った仕掛けどころを探り続けた78周ルクレールは、ノリスを抜くための攻めどころをレース前夜から思い描き、実際に数周にわたってチャンスを伺っていたという。「マックスが前に出た終盤は、本当に最後までいけると思っていた」と振り返る。「ランドに仕掛けるならどこか、夜中ずっと考えていたし、すべてを賭けてでも勝ちを狙う覚悟はできていた。でも、そのチャンスは最後まで来なかった。2~3周ほど『ここでいけるかも』と思う瞬間はあったけれど、ランドはすぐに察知してしっかり防いできた。だから、結局トライすることもできなかった」具体的には「ラスカスで2回、それからフェルモンで1回くらい」狙いを定めていたと明かした。また、フェルスタッペンが赤旗を期待してスティントを引き延ばしていたことが、結果的にノリスを追い詰める材料にはなったが、それでも十分ではなかったと述べている。さらに今回のパフォーマンスについては、フェラーリのマシン特性がモナコのような縁石走行を重視するコースに合っていたことが奏功したと分析。「ここはすごく特殊なトラックだ。縁石を乗り越える要素が多いけど、うちのマシンはそこが得意なんだ。その特性が今回のパフォーマンス向上に役立ったと思う」最後に、母国ファンの声援に対しては感謝の気持ちをこう語った。「いつも言っていることだけど、フェラーリのドライバーはどこに行っても応援してもらえる。けれど、ここで生まれて、モナコの人たちが自分を後押ししてくれるのはやっぱり特別だ」「モナコ出身の人は多くないけど、母国でこれだけのサポートを受けられるのは本当に心が温まる。彼らに1位をプレゼントしたかったけど、それはまた来年の目標にしたい」