ウィリアムズF1のカルロス・サインツは、かつてのフェラーリのチームメイトであるシャルル・ルクレールこそ「1周の速さではF1で最も速い男」だと語った。スペインのラジオ番組『El Partidazo de COPE』でのインタビューで、現役ドライバーの中で誰が純粋なスピードで最も優れているかを問われたサインツは、次のように答えた。
「僕にとって、1周の速さという意味ではシャルル・ルクレールが最速の男だと思う。純粋なスピードという点では、シャルルとランド・ノリスの2人の争いになるだろう」一方で、フェルスタッペンの支配的な成績との関係について問われると、サインツはこう説明した。「もちろん、それはドライバーがどんなクルマに乗っているかにもよる。レッドブルのマシンではマックスより速い人間はいないだろう。彼はこのクルマのすべてを知り尽くしている。同じことはメルセデスのジョージ・ラッセルにも言える。メルセデスに乗って彼を上回るのは本当に難しいはずだ」ただし、サインツは決勝レースとなると話は別だと認める。「レース全体で見れば、フェルスタッペンの前でフィニッシュできるドライバーはいない」と語り、王者の総合力を称えた。さらに番組では、ライバルたちに関する軽い質問にも答えており、「最も危険なドライバーは?」との問いには「最近の出来事を見ればリアム・ローソンかな」と冗談交じりに回答。「一番無礼なのは?」との質問には「それは難しいね。勘弁してくれ。企業倫理があるから(笑)。名前を言ったら次のドライバーズブリーフィングで会うことになるからね」と笑いを誘った。ルクレール、ノリス、フェルスタッペン ― サインツの実体験からの比較サインツはキャリアの中で3人すべてのドライバーとチームメイトとして戦ってきた。2015年にトロ・ロッソでデビューした際はフェルスタッペンとコンビを組み、予選ではサインツが上回ったものの、決勝ではフェルスタッペンが強さを見せて翌年レッドブル昇格を果たした。2019~2020年のマクラーレン時代にはノリスと互角の予選成績を記録し、決勝ではポイント獲得で上回った。そして2021年以降のフェラーリではルクレールとペアを組み、4年間でルクレールが予選・決勝ともに優勢だったが、初年度だけはサインツが年間ポイントで上回っている。予選王者フェルスタッペン像への新たな視点サインツの発言は、フェルスタッペンが必ずしも“絶対的な予選王者”ではないという視点を提示するものだ。ルクレールの一発の速さ、ノリスの安定感、そしてフェルスタッペンのレースでの完成度――この三者の比較は、現代F1のドライバー力学を象徴している。予選と決勝で異なる「速さの種類」を持つ3人の頂上対決は、2025年終盤戦の見どころの一つとなりそうだ。Source: GMM