カルロス・サインツJr.は、2026年からF1世界選手権に加わる予定のマドリードの新レースについて、自身が主催者に伝えてきたアドバイスの内容を明らかにした。マドリードは2026年から10年間の契約でスペイングランプリの開催地となる予定で、IFEMA展示会場周辺に新たなセミパーマネント(半常設)型のサーキットが開発されている。
この「マドリング(MADRING)」のハイライトは、ターン12の「ラ・モヌメンタル」であり、24度のバンク角を持つ550メートルのコーナーが設けられる予定だ。今年初めにこのレースのアンバサダーに任命されたサインツは、イベントのPR活動に積極的に取り組んでいる。しかし、公的な役割にとどまらず、ウィリアムズF1のドライバーである彼は、イベントの運営チームと舞台裏でも密接に関わり、サーキットレイアウトが追い抜きに適しているかどうかについても助言を行ってきた。「もちろん、サーキット自体には24%のバンキングと非常に長い複合セクションがあって、それがこのサーキットの特徴になる」とサインツはカナダで語った。「F1サーキットを自由に設計できるような開けた場所ではない。よりストリートサーキット的な環境になる」「だから僕が助言しようとしているのは、主に2つの追い抜きゾーンにおいて、ブレーキングゾーンやアプローチの仕方、そしてコーナーの開き方が十分に大きくて追い抜きが可能かどうかという点なんだ。僕が助言した中で、何かを変えたり適応させたりできるか確認しないといけない」サインツは、都市部の現代的なサーキットであっても追い抜きを促進することは十分可能だと考えており、その例として近年エンターテインメント性の高いレースを生み出してきたバクーを挙げた。「僕は常に、どんなサーキットであっても追い抜きが起こるようにすることを意識している」と彼は語った。「バクーを見てほしい。バクーにはドライバーの視点から見て気持ちいいコーナーなんて一つもない。でも、あそこは非常に長いストレートがあって、素晴らしいスペクタクルを生んでいる。みんなバクーを気に入っている。それが僕らが目指していることなんだ」「もちろん、マドリードで開催される以上、もう少しキャラクターがあるかもしれないけど、やっぱり追い抜きがなければならない」F1は近年、世界中で“退屈な”ストリートサーキットを導入していると一部から批判を受けており、とくにヨーロッパから新興市場への移行が進む中で、この傾向は顕著だ。その影響はカレンダーの他の部分にも及び、イモラは来季のスケジュールから外され、ザントフォールトも2026年を最後にF1開催を終了することが明らかになっている。バルセロナについても、現在の契約は2026年で満了となるため、F1での将来は不透明だ。しかしサインツは、より収益性の高いレースを追加するのがF1ビジネスの一部であることを理解しているとし、次のように説明した。「新しいサーキットや新しい開催地が増えることに僕は何の反対もない。サーキットにキャラクターや個性がある限りはね」さらに彼はこう続けた。「ヨーロッパのことに関して言えば、これはビジネスなんだ。現代の基準に適合したイベントを作り上げていくかどうかという話で、それはヨーロッパのF1サーキットでも十分できることだと思う。でも、ステファノ(ドメニカリ)の視点も理解している。ビジネスを成長させて、メキシコやマイアミみたいな、現代F1の基準に適したレースを作ろうとしているのだから」
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