電気自動車メーカーのGLMは、日本初のEVスーパーカーとして2019年の量産を目指す「GLM G4」のジャパンプレミアを東京で行った。GLM G4は4000万円(想定価格)で販売、販売台数は1000台を目指し、同車だけで400億円程度の売り上げを目標に事業を展開する。2019年の量産化に向けて開発ピッチも上げる。京都の自社研究開発拠点で重要部品の搭載検討を始め、年内には試作車での走行テストを行う予定。
現在、G4専用のパワートレインや最先端の電子制御装置等の開発を協力会社と共同で進めており、それらも実用化に向けて開発を加速させる。「GLM G4」は世界展開を視野に入れており、国内はもとより、欧州や香港、中東、中国での販売を計画している。400kW(540馬力相当)、四輪駆動のスーパーカーG4は、専用開発の高効率・高出力なモーターを車両前後に2機搭載した、四輪駆動のスーパーカーで、最高出力400kw(540馬力)、最大トルク1000Nmを発揮する。加えて、道路の表面状態に応じて、2機のモーターがそれぞれタイヤの回転力を調整する制御技術も搭載し、走行時の動力を最大化させる。こうして、発進から時速100kmまでの到達時間(0-100km/h加速)は3.7秒、最高速度は250km/h、航続距離は欧州の標準試験モードであるNEDCで400kmを実現する。4人乗り、前後ドアが跳ね上がる美しいデザイン外観はクーペスタイルながら、4ドアかつ4シーターを実現。スーパーカーのルーフラインを保ちつつ、4人の乗員がくつろげる快適な空間を確保。前後ドア4枚が高く跳ね上がる「Abeam Sail door(アビームセイルドア)」を採用した、デザイン性の高い外装。内装は白を基調に、優美に仕上げる。車両全体で気品さと力強さと優雅さを強く表現する。車両コンセプトは「RoadYacht(ロードヨット)」(路上を走るヨット)で、現代のラグジュアリーカーの新境地を拓く、新時代の「グランドツアリングカー(GTカー)」として開発を進める。力強さを有しながらも、周囲を騒ぎ立てずに、静粛とともに優雅に走る、これまでにない新たな自動車セグメントを世に送る。小間裕康 (GLM 代表取締役社長)「約7年間、当社は自動車メーカーとしての実績を作ることに注力してきました。その上で『人々がワクワクするような時間を提供できる車』をつくることを掲げてきました。そして今、G4の開発で、一歩前に、歩を進めようとしています。ZZで目指したのは『童心に帰る、子どものように楽しめる時間を与えてくれる車』でした。一方でG4は『官能的な時間を与えてくれる車』を目指します。日常の喧騒から離れるため、鞄ひとつで旅に出かけ、歴史に触れ、アートに触れ、音楽に触れ、食に触れ、一つまた豊かな時間を送る。そういったきっかけを与えてくれる車、そういった気持ちにさせてくれる車です。つまり、利便性だけではない、何か大事なものを気づかせてくれる車です。便利とは異なる官能的な世界を届けていきたい、そう心から思う次第です。当社がこうした取り組みを実現できるのも、日本に、非常に優れた自動車技術があるからです。GLMは、そうした技術をもつ素晴らしい会社に支えられています。GLMはその高い技術を結集して、自動車の可能性を飛躍的に高めていきます。我々はG4を日本のテクノロジーショーケースとなる作品として世に送り出し、日本の素晴らしい技術が世界各国の自動車に組み込まれる、そんな未来を描いています」京都大学発のベンチャー、GLMについてGLM(ジーエルエム)は、京都大学院2年だった現社長の小間裕康が、同大学VBL(ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー)のEV開発プロジェクト「京都電気自動車プロジェクト」(2006年発足)を母体に、電気自動車の開発、販売を行うベンチャーとして、2010年4月に設立(当初資本金1千万円)した。ベンチャーながら国内外から高い評価を得ているのは、世界中を探しても極めてまれな自動車の量産化に成功した点、さらには既存車をEV仕様に改造する“コンバージョンEV”ではなく、ゼロからEV車両を開発した実績。その当社初の車両が、スポーツカータイプの電気自動車「トミーカイラZZ」だ。国産のEVとしても初となるスポーツカーの量産モデルで、2015年10月から京都府舞鶴市(小阪金属工業)の専用ファクトリーで本格的な量産を開始している。
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