2025年F1第10戦カナダGPがモントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで開催され、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポール・トゥ・ウィンで今季初優勝を飾った。レースは終盤にマクラーレンのオスカー・ピアストリとランド・ノリスの接触によりセーフティカーが導入され、そのまま先導のままゴールとなる波乱の展開となった。この結果、ラッセルはF1キャリア通算4勝目を挙げ、今季のF1はこれで4人目の勝者が誕生した。
2位にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位には18歳の新人キミ・アントネッリ(メルセデス)が入り、自身初となるF1表彰台を獲得。今季の勢力図の変化を象徴するレースとなった。その裏では、多くの記録が更新され、節目の数字が並ぶ週末でもあった。今回はレース後に判明した各種データや記録、注目すべきトピックを網羅的にまとめて紹介する。■ カナダGPがセーフティカー下で終了したのは1999年、2014年に続いて今回が3回目。■ ジョージ・ラッセルにとって通算4勝目のグランプリ勝利。■ 2025年シーズンにおける4人目のウィナーにラッセルが名を連ねた。■ メルセデスとしてはモントリオールでの5勝目だが、ルイス・ハミルトン以外のドライバーによる勝利は今回が初。■ ラッセルは今季これで5度目の表彰台。昨年のシーズン全体(4回)をすでに上回った。■ カナダGPでは9年連続でフロントロウ(予選1・2番手)からのスタートしたドライバーが優勝している。■ マックス・フェルスタッペンは2位フィニッシュでカナダGP3連勝の記録が途絶えた。オスカー・ピアストリは9戦連続表彰台の記録が途絶えた■ フェルスタッペンはドライバーズ選手権でピアストリとの差を43ポイントに縮めた。■ レッドブルは現在、コンストラクターズ選手権における連続ポイント獲得記録が77戦。フェラーリの歴代記録(81戦)まであと4戦に迫った。■ ラッセルとフェルスタッペンがワン・ツーフィニッシュを記録したのはこれが3回目だが、ラッセルが勝利したのは今回が初(過去は2021年ベルギーGPと2022年オランダGPでフェルスタッペンが勝利)。■ 18歳294日で表彰台に上ったメルセデスのキミ・アントネッリは、史上3番目の若さでのF1表彰台獲得者に。上位2人はフェルスタッペンとランス・ストロール。■ アントネッリは、2009年日本GPでのヤルノ・トゥルーリ以来となるイタリア人ドライバーの表彰台。■ メルセデスは、スペインGPで一度は失ったコンストラクターズランキング2位の座をフェラーリから再奪取。■ マクラーレンのピアストリは4位に終わり、8戦連続表彰台の記録がストップ。チーム記録の9戦(2007年のルイス・ハミルトン)には1つ届かなかった。■ ピアストリはチームメイトのランド・ノリスに対する選手権リードを22ポイントに広げた。■ ピアストリとノリスの接触は、2011年カナダGPでのハミルトンとジェンソン・バトンのマクラーレン同士討ちを想起させた。■ シャルル・ルクレールはフェラーリで5位。今季10戦中9戦でチームメイトのハミルトンを上回っている。■ ハミルトンは6位。F1キャリア19シーズンで初めて、開幕10戦連続で表彰台を逃すこととなった。ハースはエステバン・オコンの活躍によりカナダGPで過去最高のリザルトを記録■ アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは7位。2025年の前半8戦はノーポイントだったが、これで2戦連続入賞。■ キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグは今季3度目のトップ8入り。■ サウバーのドライバーが連続レースでポイントを獲得したのは、2022年メキシコ/サンパウロのバルテリ・ボッタス以来。■ 9位のエステバン・オコンは、ハースのカナダGP最高位リザルトを記録。チームのF1参戦200戦目に花を添えた。■ オコンにとって今季4度目のポイント獲得。■ ウィリアムズのカルロス・サインツは10位でフィニッシュ。過去6戦で5度の入賞。■ ノリスはリタイア。チェッカーフラッグまで届かなかったのは昨年のオーストリアGP以来。■ レーシングブルズのリアム・ローソンは今季3度目のリタイア。■ ウィリアムズのアレックス・アルボンはスペイン、カナダと2戦連続でのリタイアとなった。