2026年F1シーズン開幕から3戦を終え、キャデラックF1は当初の予想を上回る立ち上がりを見せている。鈴鹿ではセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスがともに予選でアストンマーティン勢を上回り、苦戦するライバルより前で戦う場面もあった。しかし、その一方で中団争いに本格的に加わるには、なお大きなギャップが残っていることも明らかになった。ペレスは日本GP後、現状では1周あたり1秒が必要だと認め、マイアミGPで投入予定の大規模アップグレードに期待を寄せている。
鈴鹿で見えたキャデラックF1の現在地日本GP決勝でペレスは17位でフィニッシュした。セーフティカーによって隊列が縮まったこともあり、何とかリードラップは維持したが、終盤はカルロス・サインツとフランコ・コラピントの争いから27秒遅れた。セーフティカー明けからチェッカーまでの区間では、1周あたりおよそ1秒ずつ差を広げられた計算になる。さらに、ペレスの決勝最速ラップもサインツとコラピントに対して1.1秒遅れており、レースペースの不足は数字の上でもはっきり表れていた。ペレス「今は1秒必要だ」ペレスは、ウィリアムズとアルピーヌを追っていた際の感触について次のように語った。「かなり興味深かった。追走していた時、ウィリアムズとアルピーヌと戦っていたけど、そこまで遠くはないように見えた」「ただ、彼らはコンスタントにペースを見つけ続けることができていた。ペースを見つけて、またペースを見つけて、またペースを見つけていた」そのうえで、現状の不足分をより明確に口にしている。「今の僕たちには1秒が必要なのは明らかだと思う。そして、マイアミに大きなアップグレードを持ち込めることを本当に願っている。あれがチームにとって最大のテストになると思う」改善は進む一方で、次の壁は中団争いペレスは、ここまでの3戦を通じてキャデラックF1が前進していること自体は認めている。日本GPについても、予選で抱えたデプロイメントの問題を除けば、比較的スムーズに週末を進められたグランプリだったと振り返った。「グランプリごとに進歩してきたと思う。昨日の予選で僕にデプロイメントの問題があったことを除けば、今回がだいたいすべて順調だった最初のグランプリだった」「中団グループの争いに加われるような一歩を踏み出せることを本当に願っている」このコメントからも、キャデラックF1は単に完走や基礎的な安定性を求める段階から、次は中団に食い込めるかどうかを問われる段階に入りつつあることが分かる。最大の課題はダウンフォース不足では、何を改善しなければならないのか。ペレスは最大の弱点として、明確にダウンフォース不足を挙げた。「いろいろな領域があると思う。でも現時点で主なものは荷重だと思う。僕たちが最も不足しているのはそこだ」「バランス自体はそこまで悪くない。ただ、荷重が足りていないだけなんだ」バランスの破綻ではなく、純粋な空力負荷の不足がパフォーマンスを制限しているという見方は重要だ。マシンの挙動そのものよりも、コーナリングや総合的なラップタイムを支える土台の部分が不足していることになる。デプロイメントにも改善余地ペレスは、キャデラックF1の課題がダウンフォースだけではないことも示している。特に、他チームと比較した際のエネルギー運用にも気になる点があったようだ。「そうだね、間違いなく励みになる兆候は見えたと思う。デプロイメントについても取り組むべきことがある。いくつかのチームは僕たちとは違う使い方をしているように見えた。そこは改善すべき点だ」ただし、それでも優先順位は変わらない。「でも、一番大きいのは荷重が必要だということだ。そしてもちろん、僕たちはマイアミにアップグレードを持ち込む予定で、それが僕たちにとって最大のテストになる」マイアミで予定されるアップグレードが、キャデラックF1にとって本当に“次の一歩”になるのか。鈴鹿で露呈した1秒差をどこまで縮められるかが、今後の中団争いを占う大きな分岐点になりそうだ。
全文を読む