F1参戦を控えるキャデラックF1チームの親会社であるTWGグローバルが、NBAの名門チーム、ロサンゼルス・レイカーズの過半数株式を取得した。買収額は100億ドル(約1兆5700億円)に上り、プロスポーツ史上最大規模の取引となった。レイカーズはNBAで最も成功したフランチャイズのひとつであり、1979年に故ジェリー・バスが6750万ドルで購入して以来、長年にわたってバス家の所有下にあった。買収当時としては大きな金額だったが、レイカーズの人気はその後大きく高まり、投資としても極めて価値のあるものとなった。
そのバス家による所有体制に今回変化が訪れた。TWGグローバルのCEO兼会長であるマーク・ウォルターが、チームの過半数を取得するために100億ドルの小切手を切ることになったのだ。フォーブスはレイカーズの企業価値を71億ドルと評価していたが、それを大きく上回る金額での取引となった。現在チームを運営しているジーニー・バスは、売却後も「ガバナー(Governor)」の地位に留まり、チームに対する家族の関与が新たな時代においても継続されるよう配慮されている。なおウォルターは2021年にレイカーズの少数株を取得しており、その際に今後の売却時に優先交渉権を得ていた。TWGグローバルはすでにMLBのロサンゼルス・ドジャース、イングランド・プレミアリーグのチェルシーFC、WNBAのロサンゼルス・スパークスなど複数の主要スポーツフランチャイズに投資しており、今回のレイカーズ買収でその影響力をさらに拡大することになる。またスポーツ以外の分野でも、TWGはグッゲンハイム・インベストメンツやグッゲンハイム・セキュリティーズ、Group 10001やデラウェア・ライフといった保険プラットフォーム、さらにはカルバナや複数のAI・テック企業にも出資している。なお、TWGグローバルには複数の子会社が含まれており、そのひとつであるTWGモータースポーツがキャデラックF1チームの運営を担当している。TWGモータースポーツの代表はダン・トーリスが務めている。