移り変わる天候がレース展開を翻弄した2025年F1イギリスGPは、まさにスリル満点の一戦となった。52周にわたり刻々と変化するコンディションのなか、観客は最後まで息をのむような展開にくぎ付けとなり、ランド・ノリスの母国初優勝という歓喜の瞬間を迎えた。だがその裏では、F1史に残る大記録がいくつも塗り替えられていた。
マクラーレンの快進撃、ニコ・ヒュルケンベルグの悲願の初表彰台、メルセデスの連続記録ストップなど、数々の節目が刻まれたシルバーストン。以下では、見逃せないデータの数々を紹介する。■ ノリスはイギリスGPを制した13人目のイギリス人ドライバー。■ 世界選手権75年の歴史の中で、イギリス人ドライバーがシルバーストンを制したのは25回目。■ マクラーレンがシルバーストンで勝利したのは、2008年のルイス・ハミルトン以来初。■ ノリスは選手権の差を8ポイントまで縮めた(首位のオスカー・ピアストリに対して)。■ ピアストリが2位でフィニッシュしたことで、マクラーレンはオーストリアとイギリスで連続ワン・ツーフィニッシュを達成。■ マクラーレンにとって2025年の5度目の1-2は、21世紀における1シーズン最多記録。■ キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグが3位を獲得、F1史上最長の初表彰台までのキャリア(15年・238戦)となった。■ ザウバーの表彰台は、2012年日本GP(小林可夢偉)以来初。■ ヒュルケンベルグは、2021年アゼルバイジャンGPのセバスチャン・ベッテル以来初のドイツ人表彰台。■ 37歳のヒュルケンベルグは、1973年スペインGPのジョージ・フォルマー(39歳)以来となる最年長の初表彰台達成者。ニコ・ヒュルケンベルグと彼のキック・ザウバーチームにとって待望の表彰台。■ この結果により、キック・ザウバーはコンストラクターズ選手権で7位に浮上。■ ヒュルケンベルグの19番グリッドスタートは、ザウバーの32年の歴史で表彰台を獲得した中で最低のスタート位置。■ ヒュルケンベルグはこれまでのキャリアで177周にわたり表彰台圏内を走行していた。■ ヒュルケンベルグは、F1世界選手権で通算218人目の表彰台獲得ドライバー。■ フェラーリのルイス・ハミルトンは4位でフィニッシュし、2戦連続で今季最高リザルトに並んだ。■ ハミルトンの12戦連続シルバーストン表彰台記録(単一サーキットにおける最長連続記録)が途切れた。■ レッドブルのマックス・フェルスタッペンは5位に入り、選手権首位との差は69ポイントに。■ ピエール・ガスリーが6位に入り、アルピーヌにとって今季ベストリザルトを記録。■ アストンマーティンのランス・ストロールは7位で、開幕戦オーストラリア以来のトップ8入り。■ ストロールが表彰台圏内を走行したのは、2023年以来。■ ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンは8位でフィニッシュし、シルバーストンで3年連続のポイント獲得。メルセデスにとって13年ぶりにシルバーストンで表彰台なし。■ フェルナンド・アロンソは9位でチェッカーを受け、今季4戦連続のポイント獲得。■ アロンソはシルバーストンで6戦連続の入賞を記録。■ ジョージ・ラッセルが10位、アンドレア・キミ・アントネッリがリタイアに終わったことで、メルセデスは2012年以来初めてシルバーストンの表彰台を逃した。■ 今回の決勝では、今季最多タイとなる8チームがポイントを獲得。■ フェラーリのシャルル・ルクレールは14位で、今季初の非入賞(中国では失格処分)。■ レッドブルの角田裕毅は15位で、2戦連続の最下位完走。■ アントネッリのリタイアは、直近6戦で4度目。■ レーシングブルズのアイザック・ハジャーは、グランプリでの初リタイア(オーストラリアではスタートできず)。■ キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレトもリタイア。これにより、前戦オーストリアでキャリアベストを記録していたボルトレトとリアム・ローソンの2人は、シルバーストンでは6周目までに姿を消した。■ ローソンにとっては、F1決勝で初めて1周目にリタイアしたレースとなった(2023年カタールのスプリントでは1周目にリタイア経験あり)。■ レーシングブルズは19周目までに2台ともリタイアし、2024年中国GP以来のダブルDNFとなった。
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