レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、シルバーストンがF1カレンダーから脱落するのは“ショッキングな損失”ではあるが、ロンドンでの市街地レースを開催する可能性が開けるかもしれないと考えている。今週末のF1イギリスGPを前に、ロンドンでは12日(水)に大規模なF1イベント『F1 LIVE LONDON』が開催される。F1は長年にわたってロンドンでのレースを夢見てきた。
その直前、シルバーストンを保有するブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ(BRDC)はF1契約の解約条項を行使した。BRDCは、好条件で契約を結び直すためだと主張しているが、F1グループは、グランプリ週末に“駆け引き”に出たBRDCに不快感を露わにしている。クリスチャン・ホーナーは「シルバーストンは素晴らしいトラックだ。チームとドライバーはあそこで走るのが大好きだし、リバティ・メディアは、イギリスGPが存続すると約束している」とコメント。「だが、水曜日に開催されるロンドンでのイベントが成功すれば、いや、成功するはずだと思うが、ロンドンGPがリバティの人々にとってかなり魅力的に映ると想像できる。リバティが『首都ロンドンで市街地レースを開催しよう』と考えるのは容易に想像できる」BRDCのジョン・グラント会長は、ロンドンでの市街地レースというアイデアをはねつけた。「情報通のオブザーバーであれば、ロンドンのイベントは政治的、環境的、商業的に実現不可能だという言うだろう」とジョン・グランドは Reuters にコメント。第二次世界大戦中に飛行場だったシルバーストンは、1950年に最初のワールドチャンピオンシップ・グランプリを開催。モンツァ、モナコ、スパ・フランコルシャンとともにF1の歴史的なトラックとなっている。英国では、ブランズハッチ、エイントゥリー、ドニントン・パークでもF1が開催されてきたが、現在、必要なインフラを備えているのはシルバーストンのみとなっている。BRDCのメンバーでもあるクリスチャン・ホーナーは、同クラブはF1の元会長であるバーニー・エクレストンとの契約にサインしたときに計算を間違い、その後もさらに間違いを犯したと述べた。「彼らはピットに財産を費やし、しかも間違った場所に設置した。英国で最も歴史的なレーストラックのひとつに雰囲気がまったくない場所にパドックをつくった。深刻な判断ミスがあったと言わざるをえない」以前からシルバーストンの将来は危ぶまれており、バーニー・エクレストンはこれまで定期的にBRDCを非難してきた。しかし、クリスチャン・ホーナーは、苦労して結んだ契約が解約されたことに驚いたと語る。「シルバーストンがカレンダーから消えたらショッキングだろう。チームの80%が英国に本拠地を置き、英国がF1にどれほど貢献しているかを考えると、イギリスGPがなくなるのはさらにショックだ」
全文を読む