F1イギリスGPの主催者は、“ベッテル効果”によるチケット販売の減少に歯止めをかけるために、ルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンが勝ってくることを願っている。セバスチャン・ベッテルとレッドブルは3年連続でチャンピオンシップを制覇。今年もセバスチャン・ベッテルは、開幕4戦で2勝を挙げ、ランキングのトップに立っている。
マクラーレンのジェンソン・バトンは、今シーズンは5位がベストリザルト。今年メルセデスへ移籍したルイス・ハミルトンは2度の3位表彰台を獲得している。シルバーストンのマネージングディレクターを務めるリチャード・フィリップスは、6月30日のレースのチケット販売は10%減少していると述べた。「チケット販売のサイクルを見れば・・・日曜日のグランプリ後の月曜日に増加する傾向にある。ルイスが表彰台に上った週末は上昇したし、ベッテルがそこにいたときは上昇は少なかった」とリチャード・フィリップスは Reuters にコメント。「基本的に“ベッテルではない”ことが売上げに影響していくと思う」昨年、F1イギリスGPは決勝で過去最高となる12万7000人の観客を集めた。11チームあるF1チームのうち、レッドブルを含めて8チームがイギリスに拠点を置いている。シルバーストンのオーナーである英国レーシング・ドライバーズ・クラブ(BRDC)の代表を務めるデレック・ワーウィックは、イギリス人ペアの成功が重要だと述べた。「ルイスとジェンソンが2勝してグランプリに来ることがわかっていれば、セールは急上昇する」リチャード・フィリップスは、シルバーストンは損益分岐点に到達したとしているが、過去5年間の改修に費やした4000万ポンド(約60億8500万円)の投資を回収するためには、それを上回る必要があった。昨年、シルバーストンでは、大雨が降った影響でサーキット周辺の駐車場が冠水し、シルバーストン側が一般駐車場のパスをもつファンに予選日を避けるよう呼びかけるなど混乱が生じ、対策には再び資金が費やされた。シルバーストンは昨年、おそらくカタールに拠点を置くと思われるパートナーとの独占契約が終了しており、BRDCの理事長スチュワート・ロルトは、発展のために資金を供給してくれる外部の投資家の模索が続いていると述べた。「我々はまだ非常にポジティブな交渉をしており、続けていく」とスチュワート・ロルトは述べた。「グランプリに対する脅威はないが、投資家を見つけなければ、失速していく」スチュワート・ロルトは、厳しい経済情勢によって、不動産開発業者が望むことと、BRDCの狙いとの衝突にフラストレーションを感じたが、今年“何かを得られる”ことを願っていると述べた。潜在的なパートナーの詳細についてはコメントは避けている。