ブリヂストンが、2010年開幕戦バーレーンGPの展望を語った。ブリヂストンがF1世界選手権公式タイヤサプライヤー契約上の最終シーズンとなるこの2010年F1世界選手権開幕戦で使用するのは2010年型スーパーソフト、ミディアム両ドライスリックタイヤ。今年の主な変更点は、フロントからリアまでのグリップ・バランスの均衡化を図るためにフロントタイヤの幅が狭くなったこと、レース中の給油が禁止になったことを理由とするマシン重量の増加と戦略オプションの変化に対応するためタイヤコンストラクションとコンパウンドに改良を施したこ...
各グランプリには2種類のドライタイヤコンパウンドを用意し、レース中に両方のコンパウンドを使用することが必要条件となる。昨年初めて実施した隣り合わないタイヤアロケーションのコンセプトは今年も継続する。全レースでソフト側タイヤのサイドウォールに識別用としてグリーンのマーキングを施し、ブリヂストンはFIAのMake Cars Green キャンペーンへの支持も併せて表明する。今シーズンのドライタイヤ用全てのコンパウンドは2009年に使用したものとは異なるが、名称はこれまでと同じハード、ミディアム、ソフト、スーパーソフトを使用する。レギュレーションの変更に伴い、各レースでドライバー1人あたりが使用できるタイヤセット数は昨年までの両コンパウンド7セットから、「プライム」コンパウンド6セット、「オプション」コンパウンド5セットに変更となる。ウェットタイヤは昨年同様に、各レースでドライバー1人あたりウェットタイヤ3セット、インターミディエイトタイヤ4セットを用意する。今年の全19戦の開幕戦となるバーレーンGPは、新しいサーキットレイアウトに変更し、チームに新たな課題を呈する。開催7年目を迎えるバーレーンが開幕戦の舞台となるのは2度目である。レイアウトを変更したためサクヒール・サーキットの全長はこれまでの5.412kmから6.299kmに延び、今年のF1開催地の中でベルギーのスパに続く2番目に長いコースとなった。バーレーンでは例年気温が高く雨は少ない。レイアウト上トラクションが重要になり、タイヤの使用を注意深く観察する必要がある。 安川ひろし (ブリヂストンモータースポーツ推進室長)「ブリヂストンは今年F1参戦14年目を迎え、今シーズンはエキサイティングなレースが見られる素晴らしい1年になると期待しています。新しいチームが参戦し、ミハエル・シューマッハが3年ぶりに復帰し、レギュレーションも変更になります。いずれも今年のF1を素晴らしいスポーツにする効果をもたらしてくれるでしょう。F1はこれからも当社販売会社に強力なプロモーションとマーケティングの機会を与えてくれるでしょう。また中東は当社の戦略上重要なマーケットであり、今シーズン開幕戦の舞台として申し分ありません」浜島裕英 (ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部フェロー)「2010年はブリヂストンにとって技術面でもロジスティクス面でも課題があります。給油の禁止に伴いドライタイヤのコンストラクションを改良し、コンパウンドを一新しました。レーススタート時にF1マシン重量がこれまでよりも約100kg増加し、今シーズンはこれまでとは異なるピットストップ戦略が採用されるでしょう。またグリッド上位10台のマシンは予選で使用したタイヤをそのまま装着してレースをスタートすることが定められているため、チームも様々な戦略を検討することになるでしょう。ロジスティクス面では、新たなチームと、レース数の全19戦への増加に対応が必要になります。今年はサクヒール・サーキットのレイアウトが変わり、コーナーが8ヶ所増えました。タイヤの磨耗とマシンセットアップが影響を受けることになります。私たちは、作動温度域の低いレンジからスーパーソフト、作動温度域の高いレンジからミディアムを用意しています。特にシーズン前の走行が限定的だっただけに、こうしたすべての要素がシーズン開幕戦をエキサイティングなものにするでしょう」
全文を読む