ブリヂストンの浜島裕英が、2009年のF1第2戦マレーシアGPの展望をタイヤサプライヤーの立場から語った。第2戦となるマレーシアGPの舞台セパン・サーキットは、2本の長いストレートが狭い低速コーナーに続くタイヤに厳しいコースである。低速コーナー入り口でハードブレーキングが必要になるため、タイヤを通じて大きなエネルギーが発生する。この2ヶ所のハードブレーキング・ゾーンに加えて、様々なタイプのコーナーが混在し、1周を通じてタイヤに絶え間なく大きな負荷がかかることになる。厳しいのはサーキットのレイアウトだけではな...
マレーシアGPに向けて用意するタイヤコンパウンドはハードとソフトである。昨年までマレーシアで使用してきたのは溝付ドライタイヤのハードとミディアムコンパウンドだった。したがって今年の配分には、これまでよりもソフトなタイヤが含まれることになる。もう一つの注目点は、全チームにとって、シーズン前のテストで使用したハードタイヤを進化させた2009年型ハードタイヤを使用する初めての機会になることだ。浜島裕英 ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部長セパンの課題は何か?「セパンは多種多様なコーナーが混在し、2本の長いストレート終盤にそれぞれハードブレーキング・ゾーンがある、タイヤに非常に厳しいコースです。つまり1周の間にタイヤを通じて発生するエネルギーは膨大な量になるということです。特に新世代のマシンはダウンフォースが削減されて若干安定性に欠けるように見えるため、ドライバーはブレーキをロックさせないよう注意しなければなりません。マレーシアでは毎年暑さが大きな要因になります。また今年はレース開始時間が遅くなりました。この時間帯は雨が降ることが多いので、私たちが直面すると思われる課題はたくさんあります」タイヤ配分はどのように影響するか?「マレーシアで使用するハードコンパウンドは、各チームがシーズン前のテストで使用したコンパウンドをより進化させたものです。チームからのフィードバックに対応するため、以前よりもソフトになるよう改良しています。しかし大きな変更はありませんので、私は適切なものであると確信しています。ソフトコンパウンドについては、これまで私たちはセパンでソフトタイヤを使ったことがないため、その管理が今週末の最も大きな課題になるでしょう」浜島裕英のF1 マレーシアGP 解説酷暑に見舞われることが多いという想定に基づき、S(ソフト)とH(ハード)を持っていきます。このサーキットはターン9から最終コーナーを立ち上がるまでの、セクター3の区間タイムが重要なサーキットです。今年になってからMotoGPのテスト走行を視察に行きましたが、以前に比べて、路面が粗くなくなってきました。ウチのアロケーション(ゴムの配置)が硬く行きすぎてないことを祈ってます(笑)。心配なのはスコール。スタートが夕方の5時ですからスコール来襲の可能性が高い。ウエットタイヤは昨年からスペックを変更していないので、ドライバーたちは『マシンのダウンフォースが減ったことでウエット路面は昨年より運転しづらい』と言ってます。スコールの後、雨上がりでスタートするシチュエーションでは、ウエットタイヤを上手く使うことができるドライバーが有利。例えばアロンソ。雨なら彼の腕でルノーの相対的戦闘力が上がるのです。開催日程:2009年 F1 マレーシアGP
全文を読む