トロロッソ・ホンダのドライバー間の関係は最終戦アブダビGPを前に冷え切っているようだ。ブレンドン・ハートレーは、ピエール・ガスリーは2018年に何度もチームオーダーから恩恵を受けていたとし、F1ブラジルGPでのチームオーダー無視についてのガスリーの“素晴らしいスピーチ”は空々しく聞こえたと挑発した。
前戦F1ブラジルGPで11番手のピエール・ガスリーの後ろを走行していたブレンドン・ハートレーは、自分の方がフレッシュで柔らかいタイヤを履いているとしてチームに順位を入れ替えるよう要請した。しかし、ピエール・ガスリーはチームオーダーを無視。ブレンドン・ハートレーは、フィニッシュ直前になってようやく前に出たが、11位でフィニッシュしてポイントを獲得することができなかった。レース後、ピエール・ガスリーはポイント圏外を走っているときに順位を入れ替えることに意味を見い出せなかったとメディアに語った。「このポジションにいるときはレースをするべきだと思う」とピエール・ガスリーはコメント。「彼の方が速くて、彼が自分で僕をオーバーテイクできるのであればOKだと彼らに伝えたけど、何らかの理由で彼は10周くらいそうしなかった。僕にはわからないけどね。でも、その後、最後に燃料に関してあのような重大な状況になったので、残り2周でそうした」最終戦アブダビGPを前にピエール・ガスリーのコメントについて質問されたブレンドン・ハートレーは当惑していると語った。「ピエールはチームオーダーについてメディアに素晴らしいスピーチをしていたね」とブレンドン・ハートレーは Autosport にコメント。「僕は過去に何度も彼を先に行かせてあげたのに、彼は同じことをしなかった。僕はポジションを譲るだけでなく、彼やチームがポイントを獲得する手助けをするために自分のレースを妥協したこともあったのにね」「最終的に、彼を捕えるには長い道のりだけど、僕がそこに着いたときに彼は先に行かせてくれるだろうと伝えられていた。そして、ラップ毎にターン4で彼は僕を前に出してくれるだろうと言われていた」「僕の方がタイヤ、燃料のマネジメントで良い仕事をしていたし、レースでは彼よりも優れたレースペースがあった。そうはならなかったけど、チームは前の誰かに問題が起これば僕にポイントを獲得するチャンスがあると見ていた」ザウバーのシャルル・ルクレールは、ピエール・ガスリーが7位入賞を果たしたモナコGPで、トロロッソ・ホンダがブレンドン・ハートレーを使ってガスリーのライバルを抑えていたことを示唆している。ブレンドン・ハートレーは、これまでトロロッソ・ホンダにスペアパーツが不足していたことで無理な戦いをしてなかったとし、そのことがピエール・ガスリーがブラジルでチームオーダーを無視したことをさらに不快にさせていると語った。「チームが僕たちにレースをしろと伝えたら、それが僕たちがやることだ。でも、チーム観点では、新しいエアロキットのスペアパーツがないときは、戦うことはあまり意味のないことだ」とブレンドン・ハートレーはコメント。「僕はレースのために全力を尽くしているけど、レースをしてはいけないと伝えられれば、チームオーダーに反して、クルマにダメージを負うようなリスクは冒さない。僕たちには多くのスペアパーツがないんだからね」ブレンドン・ハートレーは、ピエール・ガスリーから説明があることを期待していたが、それを得ることはできなかったと明かす。「ミーティングでチームの立場はかなり明らかだったし、議論すべきことはそれほど多くはなかった」とブレンドン・ハートレーは付け加えた。「今シーズン序盤の中国で彼が僕に後ろにいて衝突してしまった後、僕たちには非常に明確なチームオーダーのガイダンスがあるはずだ」ピエール・ガスリーは、ここまで29ポイントを獲得し、2019年にレッドブル・レーシングに移籍することが決定している。一方、4ポイントしか獲得できていないブレンドン・ハートレーはF1を後にする可能性が高い。