BMWザウバーは、F1スペインGPに見た目にもはっきりと違いが表れるほどの大幅なアップグレードを投入してきた。開幕4戦ではマシンに変更を加えていなかったBMWザウバーだが、スペインGPには、ノーズ、フロントウィング、サイドポッド、リアウイングなどを変更したほぼBスペックとも言えるマシンを持ち込んできた。最も目立つ変更はノーズ形状。ノーズの先端はより高く持ち上げられ、薄く直線的な形状に変更。ノーズ下により多くの空気を取り込もうというコンセプトが見て取れる。ノーズ下に取り付けられていたディフレクターは2つに分割...
フロントウイングには、エンドプレート付近に新たにフラップが追加された。 サイドポッドは完全に作りかえられ、ラジエーター部のKERS冷却用の出っ張りがなくなっている。今回BMWザウバーは、このパッケージとの兼ね合いからKERSを外している。サイドポッド前面は、これまでより深いアンダーカットが施されている。ポッドウイングの形状も改良され、幅が広く中央にはスリットが入れられ、ミラーを含めてより空力を考慮した形状になっている。マシンサイドから見ると、滑らかに後方に向かって落し込んだ形状に変更されており、リアの低重心化に加え、ポッド上面の気流の扱いが変更されている。リアウイングの中央部には独特なウイングレットが追加されおり、ダウンフォース向上を狙っていると思われる。軽量化も今回のアップグレードの主要事項とされており、上記のエアロ系の変更と併せて全体がよりスッキリとシェイプアップされた印象を受ける。話題のダブルディフューザーは、今回のアップグレードでは採用されておらず、導入はまだ未定とされている。BMWザウバー F1.09 新旧比較 左が新型、右が旧型