マックス・フェルスタッペンが2連勝を狙う一方で、思わぬ表彰台候補の台頭や、タイトル争いを繰り広げるライバルたちの巻き返しにも注目が集まる。さらに、予選で見られた前代未聞の混乱が再び繰り返される可能性もあり、波乱含みの展開は避けられそうにない。ここでは、F1アゼルバイジャンGP決勝で注目すべき5つのポイントを紹介する。
1.フェルスタッペンの連勝の可能性アゼルバイジャンGP予選に向かうまで、10戦連続で連続ポール獲得者がいないという40年以上ぶりの記録が続いていた。しかし、マックス・フェルスタッペンはQ3終盤に圧巻のラップを決め、今季6回目のポールを獲得。この難しい路面状況での走りは際立っていた。今季すでに3勝を挙げているフェルスタッペンは、前戦モンツァで圧倒的な勝利を収めたばかり。Bakuでもスタートを決めれば、今季初の連勝を狙える位置につけている。2.サインツとローソン、サプライズ表彰台の可能性Q3の大半でウィリアムズのカルロス・サインツが暫定ポールを握る場面もあった。最終的にフェルスタッペンに譲ったものの、フロントロウ獲得はチャンスを大きく広げる結果となった。背後にはマクラーレンやフェラーリではなく、レーシングブルズのリアム・ローソンが控える。今季安定して速さを見せるローソンは、メルセデス勢を抑え込む可能性もあり、サインツとともに表彰台争いに食い込む余地がある。3.マクラーレン勢の巻き返しオスカー・ピアストリはターン3でクラッシュしQ3で姿を消し、ランド・ノリスもターン15で壁に接触して7番手に留まった。両タイトル争いの中心人物がそろって後方スタートとなり、表彰台を狙うには数台を抜いていく必要がある。ピアストリは9番手からノリスの直後に並び、チーム内バトルも注目点。マシン性能は依然高く、戦略次第では優勝争いに絡む可能性もあるが、リスクは大きい。4.フェラーリの巻き返しの余地フリー走行では速さを見せていたフェラーリだが、予選では崩れた。ルイス・ハミルトンはQ2敗退、シャルル・ルクレールはQ3でクラッシュし10番手に留まった。それでも週末を通してのパフォーマンスは強力で、ハミルトンも「レースでは前進できる」と前向き。天候や赤旗に左右される展開になれば、両者が表彰台争いに浮上する可能性もある。5.予選再現の“カオス”予選は6度の赤旗で約2時間に及び、今季のどの決勝よりも長かった。強風や小雨がマシンを翻弄し、アレクサンダー・アルボンやピアストリらがその犠牲になった。決勝も強風や小雨の予報が出ており、同様の混乱が再び起こる可能性は高い。バクー特有の波乱の歴史に加え、混戦グリッドと天候要因が絡み合えば、日曜午後は劇的な展開が待ち受けているだろう。
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