黒田吉隆が、AUTO GP 第3戦ハンガリーのレース週末を振り返った。ハンガリーの首都ブダペスト郊外の牧歌的な丘陵地帯に広がるハンガロリンクでは、1986年よりF1ハンガリーGPが開催されている。黒田吉隆(ユーロ・ノヴァ)にとっては、2012年シーズンのイタリアF3で経験のあるサーキットでのレースとなった。
しかも、この第3大会では3日(金)に3時間という豊富なテスト走行枠が設けられており、十分に走り込んでアドバンテージを上乗せするつもりだった。しかし、セッション序盤の降雨やライバルの事故による赤旗中断で3時間を有効に使えたとは言えず、黒田吉隆のベストタイムは1分36秒217で13番手に留まりました。快晴に恵まれた4日(土)午前の練習走行(30分間)では1分35秒604で11番手に留まりましたが、同日午後の練習走行(30分間)では1分35秒191で9番手に順位を上げて、黒田吉隆はレース1での上位グリッド獲得に期待をつないだ。もっとも、前日のテスト走行の時点で違和感を覚えていたステアリング位置の修正などに余計な時間を要し、午後3時15分から実施された30分間の予選では本領を発揮できず、翌5日(日)に実施されるレース1では11番グリッドを確保するに留まった。前日同様の快晴に恵まれた5日(日)午前のレース1(19周)で黒田吉隆は、エンジン始動用スターターのトラブルでフォーメーションラップに出遅れたため、最後尾から臨む不運に見舞われた。しかも、レースが始まってからはラップタイムの遅い先行車両に行く手を阻まれてペースが上がらず、さらにはピットストップの際にタイヤ交換用のホイールガンが作動しないトラブルで10数秒をタイムロス。黒田吉隆は必死に先行車両を追い抜いたものの、12位まで順位を挽回するので精一杯だった。5日(日)午後のレース2の黒田吉隆は、12番グリッドからソフトタイヤでレース序盤を好ペースで走り始め、3周目には早くも8番手へ浮上して上位進出が期待された。5周目にピットインしてタイヤ交換義務を消化し、好ペースを維持してあとは最後まで走りきるだけという状況になった矢先、14周目の第2コーナー進入の際にブレーキトラブルが発生。黒田吉隆は必死でマシンをコントロールしたが、コースアウトの末のクラッシュでリタイアとなった。黒田吉隆「レース1ではエンジン始動用スターターのトラブルで最後尾スタートとなっただけでなく、ピットストップではタイヤ交換用ホイールガンのトラブルで大きくタイムを失いました。さらにレース2ではブレーキのトラブルでクラッシュと、チームの不運を僕ひとりで背負ってしまったような大会でした。開幕大会でのアクシデント(ホイールナットの破損)以降、悪い流れが続いていますが、そろそろシーズン中盤なので打開しないといけません。レースのラップタイムペースは決して悪くなく、普通に走れていれば表彰台も狙えるくらいなので、とにかく最後まで無事に走りきりたいですね。レース2のクラッシュで負傷した指を早く治して、次のイギリス・シルバーストンの大会にはモチベーションを上げて挑みます」