2026年F1第8戦オーストリアGPは、気温36度、路面温度55度という酷暑のレッドブル・リンクで行われ、タイヤマネジメントが勝敗を左右するレースとなった。優勝したジョージ・ラッセル(メルセデス)は、ミディアムタイヤでスタートし、ハードタイヤへ2度交換する2ストップ戦略を採用。2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位キミ・アントネッリ(メルセデス)も同様の戦略を選択し、表彰台を獲得した。
2ストップが予想通りの最速戦略レース前から最速と予想されていた2ストップ戦略が、そのまま勝利への方程式となった。シャルル・ルクレール、ルイス・ハミルトン、ピエール・ガスリーのみが3ストップ戦略を選択し、それ以外のドライバーは全員が2ストップを採用した。スタートタイヤはほぼ全車がミディアムコンパウンドを装着。カルロス・サインツJr.とガブリエル・ボルトレトだけがソフトタイヤでスタートした。上位4台はいずれも、ミディアムでスタートした後、ハードタイヤを2セット使用する同じ戦略を採用。ラッセルはフェルスタッペンに1.611秒差をつけて優勝し、アントネッリもフェルスタッペンから0.3秒あまり遅れた3位でフィニッシュした。この勝利によりラッセルはドライバーズランキング2位に浮上。一方でアントネッリは171ポイントでランキング首位を維持している。フェラーリは3ストップで勝負フェラーリは今回もライバルとは異なるアプローチを選択した。ルクレールとハミルトンは3ストップ戦略を採用し、終盤には燃料搭載量の軽い状況でソフトタイヤを使用。タイヤ性能は良好だったものの、2ストップ勢を逆転するには至らなかった。また、フェラーリ勢とガスリーはアンダーカットを狙って早めに最初のピットストップを実施した一方、オーバーカットを試みたドライバーたちは期待した効果を得られなかった。レース中盤にはサインツJr.のマシントラブルによるバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入されたが、戦略全体への影響は限定的だった。アントネッリはやや早いタイミングでピットインしたため、VSC中のピットストップによるタイムメリットを十分に活用できなかった。ピレリ「タイヤ開発の成果が表れた」ピレリのモータースポーツディレクター、ダリオ・マッラフスキは、高温下でもタイヤが安定した性能を発揮したことを評価した。「今日のレースでは、2ストップと3ストップの両戦略で3種類すべてのコンパウンドが使用された。予想どおり、高い熱劣化のため1ストップ戦略は現実的ではなかった」「2ストップ戦略は、金曜日から各チームが保有していたタイヤセットの状況にも左右されたが、最終2スティントをハードタイヤで走る方法が最も効果的であり、表彰台の3人がそれを実践した」「フェラーリは今回も異なる戦略を試し、3ストップに加えてソフトタイヤも使用した。燃料搭載量が少ない条件もあり、ソフトタイヤは非常に良いパフォーマンスを見せた」「フェラーリ勢とガスリーはアンダーカットを狙って早めにピットへ入ったが、それ以外のチームは私たちが想定していたピットウインドウどおりに動いた。一方で、オーバーカットを試みたケースは期待した成果を上げられなかった」「サインツJr.によるVSCも戦略を大きく変えることはなく、影響を受けたとすれば、やや早めにピットへ入ったアントネッリくらいだ。ニュートラライズ中のピットストップによるタイムアドバンテージを十分に得られなかった」「これほど路面温度が高いコンディションにもかかわらず、グレイニングもブリスターも発生しなかった。これはピレリが進めてきたタイヤ開発がサーキットで確かな成果を上げていることを示している」
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