2025年F1 オーストリアGPのフリー走行1回目(FP1)が終了。前戦カナダGPを制したメルセデスF1のジョージ・ラッセルが好調を維持し、1分5秒542でトップタイムを記録した。角田裕毅は17番手でセッションを終えた。レッドブルリンクで行われたFP1には、新顔のルーキー2人が登場した。F2ランキング首位のアレックス・ダンはマクラーレンでランド・ノリスのマシンをドライブ。F1週末に出走したアイルランド人としては22年ぶりの記録となったダンは、見事4番手という印象的なタイムを記録した。
また、同じくF2ドライバーのディノ・ベガノビッチは、フェラーリからシャルル・ルクレールに代わって走行した。セッション開始時、ダンは最初にコースインしたドライバーの一人で、MCL39には空力センサー(エアロレーク)が装着されていた。複数のチームがアップグレードを投入した今週末の幕開けにふさわしい走行だった。なお、初期走行でソフトタイヤを使用したのはダンだけで、他のドライバーはミディアムまたはハードタイヤを選択していた。前戦カナダGPを制したラッセルは、セッション序盤に早くもペースをつかんでいた。一方、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンはRB21でロックアップを喫するなど、あまり満足していない様子だった。フェルスタッペンは無線で問題を報告したが、その相手は普段のレースエンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼではなく、今週末は休暇を取っているため代役のサイモン・レニーが対応していた。セッション中盤には、同じくレッドブル・レーシングに所属する角田裕毅も苦戦。自身のマシンの扱いに苦労しており、コースオフする場面が見られ、「バランスが悪い」「ブレーキがとても悪い」と無線で不満を訴えた。ほかにも、フェラーリのルイス・ハミルトンはギアボックスに「問題がある」と知らされ、ピットに戻らざるを得なかった。フェラーリにとってトラブルはそれだけではなく、ベガノビッチのマシンもガレージでフロアが取り外され、スタンドの上に置かれる状態となっていた。その間にもラッセルはソフトタイヤで1分5秒776を記録し、タイムシートのトップに立った。終盤、フェルナンド・アロンソが最終コーナーでスピンし芝生に飛び出したことでイエローフラッグが提示された。アストンマーティンの2度のワールドチャンピオンは、「これまでで最悪のアウトラップだった。FP1でやっておいてよかったよ」と皮肉まじりにコメントした。多くのドライバーがソフトタイヤへと履き替え、タイムが続々と更新される中、フェラーリの2台もコースへ復帰。エステバン・オコンはターン1でロックアップしてコースオフし、再びイエローフラッグが出された。オコンはそのまま走行を続けたが、左フロントタイヤにはフラットスポットができていた。セッション終盤もラッセルが首位をキープ。フェルスタッペンとピアストリが続き、ダンはわずか0.07秒差でピアストリに迫る4番手のタイムを叩き出し、存在感を示した。残り10分を切った頃、ラッセルは「小さな雨粒が落ちてきた」と無線で報告。上空には雲が広がっていたが、ラッセルはそのまま1分5秒542でセッション最速を維持した。このサーキットで最多4勝を誇るフェルスタッペンは、トップと0.065秒差の2番手。ピアストリとダンが3番手と4番手に並び、アルピーヌF1のピエール・ガスリーが5番手に続いた。キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレトが6番手と健闘。ウィリアムズ・レーシングのアレックス・アルボンとカルロス・サインツが7・8番手に並び、ハミルトンとレーシングブルズのアイザック・ハジャーがトップ10を締めくくった。メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは11番手で、直前に高校卒業試験を終えたばかり。キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグが12番手、アストンマーティンのランス・ストロールが13番手、アロンソが14番手、レーシングブルズのリアム・ローソンが15番手だった。アルピーヌのフランコ・コラピントが16番手で続き、角田裕毅、ベガノビッチ、オコン、ハースのオリー・ベアマンが17~20番手に並んだ。各チームとドライバーは、パドックでデータ解析を行い、現地時間17時から始まる金曜2回目のフリー走行(FP2)に向けて準備を進める。2025年F1 オーストリアGP フリー走行1回目 順位・ラップタイム1.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分05秒5422.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分05秒6073.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分05秒6974.アレックス・ダン(マクラーレン) - 1分05秒7665.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) - 1分05秒7806.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分05秒8747.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - 1分05秒9468.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分06秒0179.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分06秒09910.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分06秒11011.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分06秒13012.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分06秒14013.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分06秒16014.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分06秒17015.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分06秒18916.フランコ・コラピント(アルピーヌ) - 1分06秒24617.角田裕毅(レッドブル) - 1分06秒26218.ディーノ・ベガノヴィッチ(フェラーリ) - 1分06秒36919.エステバン・オコン(ハース) - 1分06秒51020.オリバー・ベアマン(ハース) - 1分06秒728
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