Audi R18は、FIA世界耐久選手権(WEC)のシーズン後半戦に入った第6戦において、素晴らしいパフォーマンスを発揮したにもかかわらず、惜しくも2位にとどまった。レース開始から5時間が経った頃、7号車は周回遅れのマシンにぶつけられガードレールに衝突、タイムロス。その後7号車に代わりトップを快走していたゼッケン8号車も幾度かの不運に見舞われ、猛烈な追い上げを見せたものの2位でレースを終えた。
今大会でアウディは、圧倒的優位な展開でレースに臨んだ。アウディスポーツ チームヨーストはすべてのプラクティスセッションでトップタイムを叩き出しただけでなく、予選ではポールポジションと2番手を獲得した。その強さはレースでも発揮された。気温36℃にも達した猛暑の中、2台のAudi R18は3位以下に1分近くの大差を付ける快走を続けていた。レース序盤は、ゼッケン7号車のマルセル・ファスラーと、彼からステアリングを受け継いだアンドレ・ロッテラーがトップを走り、その後は8号車を駆るルーカス・ディ・グラッシがトップを走行していました。その後、ロイック・デュバルがディ・グラッシからマシンを受け継ぐと、彼はファステストラップを記録する快走を見せた。しかし、99周目に電気系トラブルに見舞われたデュバルは50秒のタイムロスを喫し、さらにドリンク供給システムが作動不良を起こしたため、予定より早いピットインを余儀なくされた。そのピットインの直後、コースにフルコース イエローコーションが出されたため、それまでに獲得していた大きなアドバンテージは消失、ライバル達との距離が縮まってした。さらにレース開始後5時間が経った頃、ルーカス・ディ・グラッシがルーティンのピット作業を終えてコースに戻ったものの、ドアが閉まりきっていなかったために再度ピットイン。コースに戻ったのちの猛追を経て、トップにわずか23秒差にまで迫った時点でチェッカーフラッグが振られ2位となった。8号車がトラブルに見舞われた時点では、7号車も優勝圏内にいた。ブノワ・トレルイエは、8号車と僅か19秒差の2番手を快走。しかし、スピンした周回遅れのGTマシンにぶつけられ、トレルイエはコースアウトを喫してした。ピットに戻りダメージを修復するまでに6ラップを失い、ファスラー / ロッテラー / トレルイエ組は、不本意極まりない6位でゴールした。アウディモータースポーツ代表のDr. ヴォルフガング・ウルリッヒは「僅か6時間の間に、信じられないほどの不運に見舞われてしまった。ドライバーは全員、非の打ち所のないパフォーマンスを発揮し、Audi R18を存分に活躍させていた。レース前の全セッションで最速タイムを記録し、レースでは誰よりも速く走行していた。今大会では1-2フィニッシュに手が届いていただけに、1台が2位入賞というだけでは、喜ぶことは難しい」と述べた。現時点で、アウディはマニュファクチャラー選手権の2番手に位置し、チャンピオン獲得に意欲を燃やしている。ドライバー選手権では、今大会でディ グラッシ / デュバル / ジャービス組が順位をひとつ上げ2番手に浮上した。どちらのタイトル争いも、4週間後に開催の富士スピードウェイを含む残り3戦で行われる。
全文を読む