ニュルブルクリンク24時間レースがドイツのアイフェルで開催され、Audi R8 LMSが2012年、2014年、2015年に続き、参戦5年目で4度目の優勝に輝いた。2012年に総合優勝を目指してGT3モデルでこのレースに初参戦して以来、Audi Sportカスタマーレーシングのレースカーは、ニュルブルクリンク24時間レースで極めて成功したスポーツカーとなっている。
Audi Sportチームランドは、天候の急変も味方につけて、劇的な逆転勝利を収めた。ドイツのニーダードライスバッハを本拠地とするウォフルガンフ・ランド率いるこのチームは残り2時間を切る時点で、順位を落とすまでは圧倒的にレースを支配していた。125ラップ(約3,172km)まで首位を走行していたが、マシンのセンサーにトラブルが発生して2度のピットストップで修理を試みるが、思うような結果を得ることができなかった。それでもこの29号車のAudi R8 LMSは、2番手でレースに復帰した。レース終了間際に天気が急変。Audi Sportチームランドは、トップグループでは最初にレインタイヤに交換するという賭けに出る。その戦略が見事に成功し、突然の雨でウェットとなったサーキットで、ケルビン・バン・デル・リンデがトップに返り咲く。チームメイトのクリストファー・ミエス(ドイツ)、コナー デ・フィリッピ(アメリカ)、マルクス・ヴィンケルホック(ドイツ)とともに、この南アフリカ出身のドライバーが45回目となったこの伝統の耐久レースで勝利を収めた。これはAudi Sportチームランド、バン・デル・リンデ、そしてデ・フィリッピにとっては初めての勝利、クリストファー・ミエスは2度目、マルクス ヴィンケルホックは3度目の優勝となった。Audi SportチームWRTは、3位表彰台を獲得した。Audi Sportチームランドが順位を落とした後、マルセル・フェスラー(スイス)、ロビン・フラインス(オランダ)、ニコ・ミュラー(スイス)、レーネ・ラスト(ドイツ)を擁するこのベルギーのチームが首位に立ち、そのまま優勝するかと思われたが、タイヤ選択の賭けに失敗。スリックタイヤを選択した後、最後にレインタイヤに履き替えたことにより最終的に3位でチェッカーを受けた。またAudi R8 LMSで参戦したフェニックスレーシングは、アクシデントでマシンを損傷して、最後尾の79番手まで後退したが、見事な追い上げを見せ19位でフィニッシュした。同じくAudi R8 LMSで参戦したプライベート カスタマーチームのカーコレクションモータースポーツも27位でフィニッシュ。他のプライベートチームもクラス優勝を果たし、Audi Sportカスタマーレーシングの成功の歴史に華を添えた。Audi TT RSで参戦したLMSエンジニアリングのウルリッヒ・アンドレー、ダニエラ・シュミット、クリスチャン・シュミッツ、ステファン ヴィーニンガー組は、SP 3Tクラスで勝利を収めている。さらに、ニュルブルクリンク24時間レースに初参戦したボンクモータースポーツの2台のAudi RS 3 LMSがTCRクラスで2位と3位に入り、アウディのカスタマーレーシングプログラムにとって、貴重なリザルトをもたらした。レースデビューを果たしたAudi R8 LMS GT4も完走している。Audi Sportチームフェニックスは、市販モデルベースのスポーツカー、Audi R8 LMS GT4を駆って、SP-Xクラスで3位と5位に入った。「25℃を超える気温、そしてレース終盤の雨により、私たちは史上もっともタフで、もっとも速く、そしてもっともドラマチックなレースを体験することになりました」と、Audi Sportカスタマーレーシングの責任者を務めるクリス・ラインケは述べた。優勝チームが周回した158ラップは、2014年にアウディが樹立した走行距離記録にわずか1周だけ及ばない周回数だ。「アウディは圧倒的な力を発揮して、143ラップで首位をキープしました。これはレース全体の90%にあたります。この素晴らしい結果をもたらしてくれたカスタマーチームのメンバーとドライバーを祝福したいと思います。非常にドラマチックな形で達成したこの勝利は、必ずやモータースポーツの歴史に刻まれると確信しています。」
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