アウディのF1最高執行責任者兼最高技術責任者であるマッティア・ビノットは、現在のザウバーF1チームのパフォーマンスは「受け入れられない」と認めている。ドイツのメーカーであるアウディは、2026年にワークスチームとして公式にF1に参戦するために必要な基盤の構築に取り組んでいるが、買収したザウバーF1チームの成績は理想からは程遠いものとなっている。
ザウバーF1チームは、今シーズンここまでポイントを獲得できていない唯一のチームとして、F1コンストラクターズ選手権で現在10位、最下位となっている。2年後にアウディに切り替わった際には、運営は大きく変わるだろうが、ビノットは、今起きていることを無視することはできないと語る。「そんな余裕はない」とビノットはイタリアグランプリで語った。「将来、勝利を収めるチームにならなければならない。そして、そのためには、前進し、向上していくしかない」「将来のために、我々の力を鍛えなければならない。だから、確かに改善する必要があると思う」「それは自分自身にとって重要であり、チームにとっても重要だ。ブランドにとっても重要であり、パートナーにとっても重要だ。そして、現在のポジションを何としても受け入れるわけにはいかない」ビノットは、アウディがレースで勝利を争えるようなポジションに立つには、長期的にやるべきことはたくさんあるが、同時に、現状を打破するための大きな推進力も必要だと語る。「ザントフォールトのレースでビリとビリから2番目だったこと、そして予選でも同じ順位で上位のマシンから大きく離されたことを言い訳にしてはいけない」とビノットは語った。「だから、改善に努力を傾けなければならない。優先事項と、短期、中期、長期の取り組みのバランスを取る必要がある」「しかし、今日のポジションが我々にとって快適なものであるとはまったく思わない。非常に苦痛だ」「繰り返し言うが、我々は筋肉を鍛え、改善する必要がある。なぜなら、確固たる基盤は一日にして成らずだからだ」「チームは毎日、一歩一歩、継続的に進歩する必要がある。だから、できるだけ早くと言いたい。」ビノットは8月1日にアウディ/ザウバーで正式に働き始め、ここ数週間は現状の評価に費やしてきた。そして、初期の評価では、彼がチーム代表を務めていたフェラーリで経験したようなレースに勝てるチームに発展させるためには、多くの作業が必要だという結論に達した。「2、3週間ではすべてを見ることはできません。」とビノットは説明した。「ヒンウィルでのシャシーやノイブルクでのパワートレインなど、見たり発見したりしたことについて、第一印象しか持てないのは確かだろう」「しかし、素晴らしい人材がいると思う。我々には明確な意図と目的があり、勝利チームになるために前進している。しかし、確かにやるべきことはたくさんある。それが最初のフィードバックだ」「我々はF1で長年活躍しているチームと競い合っている。彼らは上下ともに大きな組織だ。しかし、我々にはそうした組織はない」「人員、組織、ツール、プロセス、手法、施設など、あらゆる面で強化する必要がある」「ヒンウィルで行っていることと、ノイブルクで行っているパワートレイン開発とを確実に統合する必要がある」「そして、それは文化や考え方についても同様だ。なぜなら、勝利チームになるためには、求められるものに対して考え方を変える必要があるからだ」ビノットは、アウディが成功を収める準備が整うまでには、まだ数年はかかるだろうと見ている。アウディのCEOであるゲルノット・ドエルナーは、F1の難しさをより理解するにつれ、勝利を収めるには当初考えていたよりも長い時間がかかるかもしれないことを受け入れていると認めた。「我々は、F1プロジェクトを本当に長期的なプロジェクトだと考えている」と彼は語った。「私がアウディに入社した昨年9月、我々はプロジェクトの評価を行い、その結果、現状の体制が最善であるという結論に達した。また、より現実的なタイムスケジュールに調整した可能性もある」「まだいくつかの側面について話し合いが続いているため、詳細を述べることはできないが、タイムスケジュールに関してはかなり現実的な見通しを持っている」