1997年のF1ワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴは、アウディのようなメーカーは突然心変わりをする可能性があり、シリーズにとって「非常に危険」だと語り、チームが実際にどれだけ成功するかについて考えを巡らせた。アウディがF1グリッドに加わるのは2026年で、新しいシャシーとパワーユニットのレギュレーションが導入される時期と重なる。当初はザウバーをアウディのワークスチームとする提携が彼らのルートとなる予定だったが、現在はアウディがF1入りに合わせてチームを完全買収する意向だ。
そのため、ザウバーはアウディ時代に向けてビルドアップを進めている段階だが、アウディにとっては大幅な改善が必要な拠点となるリスクがある。ザウバーはまだ2024F1シーズン序盤にポイントを獲得できていない。アウディはルノー方式で参加するのか?それとも実際にレーサーになるのか?2022年にアルファロメオとしてF1レギュレーション新時代を力強くスタートさせたザウバーだが、その後は衰退の一途をたどっている。必要な改善は「一夜にして起こる」ものではないため、ヴィルヌーブはアウディの加入時にすでに足かせになるだろうと主張している。「彼らは何年も成績が良くなかったチームに加わることになる」とヴィヌーブはSports Illustratedに語った。 「そして、ノウハウを発明することはできない。それは時間をかけて築いていくものだ」「ウィリアムズを見ればわかるだろう。しばらくはある意味で好調だったが、ペイドライバーの代償を払うことになり、さらにその支払いが遅くなった。そして今、チームは再建を続けている。時間もかかる。だから、一朝一夕にはいかない」。ヴィルヌーヴが次に抱く疑問は、アウディのF1チームに対する意向だ。F1の頂点を目指すという話とは裏腹に、ヴィルヌーヴが指摘するのは、アルピーヌに同じ野望を抱きながら、2024F1シーズンのここまでノーポイントに終わっているルノーだ。ルノーは2016年にマニュファクチャラーとしてグリッドに戻って以来、わずか1勝しか挙げていない。アルピーヌは最近、ルノーがチームの売却を検討しているという憶測を否定しており、ヴィルヌーブは、F1のために存在するウイリアムズのような独立系チームに対して、撤退の脅威となるとメーカーはF1にとって 「非常に危険」だと警告している。「それで、彼らはどうやって参加するのか?」とヴィルヌーヴは続けた。「ルノーやアルピーヌと同じように、ただF1の一部となってイメージを高めるために参加するのか、それとも実際にレーサーとして勝利を目指すために加入するのか。それはわからない」コンストラクターが入ってきたときに危険なのは、5分もすれば簡単に「よし、もう終わりだ。さようなら』と決めて出て行ってしまうことだ。彼らはこのスポーツにとって素晴らしい存在だが、その点で非常に危険でもある」「ウィリアムズのようなチームは去ることはできない。ウィリアムズはF1とともに存在し、F1があるからこそ存在する。ウィリアムズがF1をやめたらどうする?何もない」「彼らは上達するために辛抱する方法を見つけるだろう。それが彼らの糧なのだからね。だから、ある意味で安心していられるんだ」ザウバーの現ドライバーであるバルテリ・ボッタスと周冠宇は、2024年F1シーズン終了時に契約が満了となる予定で、アウディの将来の一員になるべく奮闘している。