アウディは、マニュファクチャラーズ、ドライバーズともランキング2位を維持した状態で日本でのレースに臨む。非常に重要な第7戦は、10月16日(日)、東京から南西およそ100kmに位置するチャレンジングなレイアウトで知られる富士スピードウェイで開催される。今シーズンのFIA世界耐久選手権は、6時間耐久でありながらスプリントさながらの展開となったレースが数多くあった。ニュルブルクリンク、メキシコ、テキサスでの大会では、最後の1周までスリリングな展開が続いた。
アウディのチームとドライバーは、富士戦を特に心待ちにしている。日本のレースファンは耐久レース観戦が好きで、ドライバーへの敬意の念すら感じられる。また多くのメディアもモータースポーツを好意的に取り上げてくれる。その理由のひとつに、多くのアウディドライバーが日本と深い関係を持っていることが挙げられる。ロイック・デュバルとブノワ・トレルイエのフランス人ドライバー2名は、日本で幾年にもわたりレースに出場、多くの好成績を残している。さらにドイツ人ドライバー、アンドレ・ロッテラーは2003年から東京に拠点を持ち、日本を第二の故郷として数多くのレースに出場している。アウディモータースポーツ代表のDr. ヴォルフガング・ウルリッヒは「富士戦は、いつも大きなチャレンジを伴う大会だと思っています。非常に長い直線と複雑なコーナーが組み合わされたコースレイアウトがチャレンジングであることに加え、特殊な天候が大きな要素だと考えています」とコメント。アウディスポーツのエンジニアは、2台のAudi R18を富士スピードウェイに合わせ、入念にセットアップした。1.4kmにもおよぶホームストレートでトップスピードが300km/h以上に達したあと、ミドルセクターでは弧の大きな高速コーナーが連続し、最終コーナーに向けては低速コーナーとシケインが表れる。富士山周辺の天候は、非常に変わりやすいことで有名。2013年には豪雨のためにレースが中止。昨年2015年はマルセルファスラー(スイス)がトップを快走し、ロイック・デュバルがファステストラップを記録したにも関わらず、悪天候に阻まれ優勝獲得はならなった。富士戦は、2012年にWECが開幕して以来、アウディが一度も優勝を獲得していない唯一の大会とある。Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒは「富士戦がいかに難しいか、充分に理解しているので、今大会は優勝を獲得したい」とコメント。Audi R18のパフォーマンスの高さは、2016年シーズン後半で、大いに証明されている。ニュルブルクリンク、メキシコ、オースティンの過去3レースだけで、Audi R18がライバルをリードして走行した距離の総合計は1,136kmにも達する。年間タイトルの行方は、現時点でも確定出来ない。メキシコとテキサスの大会では、ハイブリッドモデルで参加するマニュファクチャラー3社ともに、表彰台獲得という混戦を繰り広げた。ルーカス・ディ・グラッシ / ロイック・デュバル / オリバー・ジャービスは、依然としてアウディ勢で最多ポイント獲得のトリオとして、ランキング2位を維持している。彼らとランキングトップとのポイント差は37.5ポイントあるが、最終戦までの間に獲得可能なポイントは78ポイントも残されている。マニュファクチャラーズ タイトルでは、トップのポルシェを53ポイント差で追う2番手だが、こちらも残り132ポイントもの獲得可能性が残されている。富士6時間レースは10月16日(日曜日)午前11時スタートする。