アストンマーティンF1のエイドリアン・ニューウェイ代表は、2027年マシン「AMR27」の本格的な設計作業がすでに始まっていることを明らかにした。2026年型AMR26で経験した開発の遅れを繰り返さないため、生産開始を大幅に前倒しする方針を示している。また、2027年のレギュレーション変更では、フロア前端部の設計変更が最も重要なポイントになると指摘し、新たな空力コンセプトへの期待を語った。
AMR27は基本設計の段階へハンガリーGPでは16項目に及ぶ大規模アップグレードを投入したアストンマーティンF1。改良型「AMR26B」によりフェルナンド・アロンソは今季初めてQ2進出を果たし、チームは復調の兆しを見せている。その一方で、ニューウェイはすでに2027年マシン「AMR27」の開発へ着手していることを明かした。「はい。現在は初期の研究段階にある」「今はエンジンをホイールベース内のどこに配置するか、シャシーをどう配置するかなど、長いリードタイムが必要となる基本設計を決めているところだ」ニューウェイによれば、現在検討しているのはフロント・リアサスペンションのコンセプトやギアボックス形状など、空力性能に大きな影響を及ぼす要素だという。「フロントとリアのサスペンションコンセプト、ギアボックスの形状など、空力に大きく影響するあらゆる要素を検討している」2026年の反省から開発を前倒しニューウェイは以前、2026年マシンの開発は大きく出遅れていたと説明している。AMR26の風洞モデル投入は2025年4月と、ライバル勢より約4か月遅れだった。また、ホンダ製パワーユニットが抱えていた問題の深刻さをチームが把握したのも2025年11月になってからだったという。その経験を踏まえ、AMR27では設計から生産への移行を大幅に早めることを最優先課題としている。「最大の目標は、2027年マシンを今年よりもはるかに早い段階で生産工程へ引き渡すことだ」「そうすれば今年のように全員へ大きなプレッシャーをかけずに済む」「重量や剛性、細部の作り込みまで、より効果的に最適化できるようになる」2027年規則で最大の焦点はフロア前端2027年にはパワーユニット規則とシャシー規則の両方が見直される。パワーユニットでは内燃機関の比率が引き上げられ、燃料使用量も5%増加。エネルギー回生やデプロイメントにも細かな変更が加えられる予定だ。一方、ニューウェイが最も重要視しているのはシャシー側の変更だ。「最も大きな変更は、フロア前端にある『ビブ』あるいは『ティートレー』と呼ばれる部分だ」この部分の前縁は約300mm後方へ移される予定で、それによってマシン前部をより低い位置で走らせることが可能になるという。「これによって、まったく異なる空力特性が生まれる」さらに、リアウイングはダウンフォースを減らすため高さが抑えられ、フロア前端の『ベアクロー』と呼ばれるフィン形状も5本から3本へ削減される。加えて、エキゾースト周辺やリアウイング周辺で各チームが活用してきた空力処理も禁止される見込みだ。「私たちにとって最も重要なのは、このフロア前端の変更だ。すべてのチームに新しい空力上の課題を与えることになる」急成長した組織に自信ニューウェイは、この1年間でアストンマーティンF1が急速に組織力を高めたことが、2027年レギュレーション変更への最大の武器になると考えている。2026年は新体制の立ち上げやホンダとの初年度という難しい状況に直面したが、その経験が今後の開発力向上につながるという見方だ。「この12か月で、私たちはチームとして急速に成長せざるを得なかった」「1年前とは比べものにならないほど成熟した組織になっている」「だからこそ、これから先に待っているものについて非常に楽観的に考えている」