アストンマーティンF1は、F1ベルギーGPを最後にAMR26の従来仕様へ別れを告げる。次戦ハンガリーGPでは、エイドリアン・ニューウェイが開発を主導した大規模アップデートを投入し、苦境からの巻き返しを狙う。マイク・クラック(トラックサイド・オペレーション責任者)は、6か月に及んだ厳しい戦いを振り返りながら、新仕様マシンへの期待を隠さなかった。
また、困難な時期を支えたチーム、ホンダ、そして報道陣への感謝も口にし、ブダペストでの再出発に向けた決意を語っている。「アップデートなしの時代は終わった」ベルギーGP終了後、アストンマーティンはハンガリーGPで投入するBスペックシャシーの準備を進めている。空力性能と軽量化を中心とした大規模な改良が施され、今季初めて本格的な競争力向上を狙うパッケージとなる。スペイン紙『MARCA』の取材に対し、クラックは待ち望んだアップデートへの期待を次のように語った。「マシンにいくつかのアップデートを投入できることを本当にうれしく思っている。もちろん、どれだけ効果があるのかは誰もが知りたいし、私たち自身もそうだ」「だが、私たちにとって何より重要なのは、再び戦えるようになることだ。この数戦は中団グループについていくことさえ非常に難しかった。どんな結果になろうと、再び戦えることが一番大切だ」さらに、ハンガリーGP用の新仕様が順調に製造されていることも明かした。「ファクトリーでは週末もフル稼働していたはずだ。社内カメラで様子を見たが、とても活気があった。必要なものはすべて揃うと確信している」空力と軽量化を軸に大規模改良今回のアップデートは単なる細部の改良ではなく、FIAへの再ホモロゲーションが必要となるほど大規模な変更となる。「かなり大規模なアップグレードだ。主な狙いは空力性能と軽量化であり、それを実現するために多くの変更を加えた。私たちが目指していたことはすべて達成できた」さらに、ハンガリーGPだけではなく、その後も進化が続くことを示唆した。「今回だけではない。ブダペストでシャシー、そしてザントフォールトではパワーユニットというように、いくつかのステップを予定している」「長い間アップデートがなかった時期は終わった。未来は明るいと感じているし、ブダペストで何が得られるのか、誰もが楽しみにしている」「ホンダとともに乗り越えた6か月」シーズン開幕から続いた低迷は、チームにとって精神的にも厳しい時間だったという。それでもクラックは、チーム全体の結束が以前より強くなったと振り返る。「1月からこの6か月間は、本当に厳しかった。だが、チーム全員が示したプロフェッショナリズム、集中力、そして困難に立ち向かう力は本当に素晴らしかった」「シルバーストンだけでなく、サクラのホンダも含め、すべての関係者がそうだった。そしてドライバーたちも忘れてはならない。彼らにとっても非常に苦しい時間だった」さらに、ホンダとの協力関係が苦境によってより強固になったことも明かした。「毎週末、自分たちのマシンが最後尾にいる状況を見るのは本当に厳しかった。誰かを責めるのは簡単だが、私たちはホンダと一緒に座り、『全員が同じ立場にいる。一緒に前へ進もう』と確認し合った」「眠る時間もなく、厳しい日々が続いたことが、かえって私たちをより強く結び付けた。苦しかったのは事実だが、こうした経験を経てチームは成長するものだ」報道陣にも異例の感謝クラックは、この苦境を報じ続けたメディアにも異例ともいえる感謝を示した。「同じ質問を何度も繰り返されることはなかったし、私たちが状況を率直に説明してきたことを理解してくれた。厳しい状況の中で、ジャーナリストの皆さんも助けてくれたと思っている」ベルギーGPは、AMR26のオリジナル仕様で戦う最後のレースとなった。アストンマーティンはハンガリーGPでBスペックマシンを投入し、さらにオランダGPではホンダの新パワーユニットも投入予定だ。長く続いた苦境を経て、チームは「再び戦える集団」への第一歩を踏み出そうとしている。