アストンマーティンF1チーム代表のアンディ・コーウェルは、元レッドブル代表クリスチャン・ホーナーが将来的にチームへ加わる可能性を明確に否定した。コーウェルはシンガポールGP週末にローレンス・ストロール代表と協議した上で、「オペレーション面でも投資面でも、ホーナーが関与する予定はない」と断言した。コーウェルは前日のメディアセッションでホーナーの関与を明確に否定しなかったことで憶測を呼んでいたが、ストロールとの会話を経て立場を明確にした。
「昨日のメディアセッションでこの話題が出たので、今朝ローレンスと話をした。どうやらクリスチャンは現時点でほぼ全てのチームオーナーに連絡を取っているようだ」とコーウェルは語った。「はっきり言っておくが、今後クリスチャンが運営面や投資面で関与する計画は一切ない」この発言により、アストンマーティンは2026年からホンダワークス体制へ移行するチームの中で、ホーナー招聘を正式に否定した2チーム目となった。先日、キャデラックF1チームも同様の声明を出し、「ホーナーとの話し合いは一切ない」とチームCEOのダン・タウリスが述べている。ホーナーは7月のイギリスGP後にレッドブルを電撃的に解任され、約1億ドル(約150億円)の和解金を受け取って正式にチームと決別。契約上、2026年シーズン中にはF1パドックへの復帰が可能になるとされている。現在はチームオーナー型の立場での復帰を模索しており、トト・ヴォルフ(メルセデス代表)のように経営と指揮を兼ねるポジションを志向していると見られている。一方、ハースF1チームの小松礼雄代表も、先週ホーナー側からの接触があったことを明かしているが、「 exploratory(探索的な)会話にすぎず、これ以上話が進むことはない」と強調した。ホーナー復帰は「現実的なオプション」が限られるクリスチャン・ホーナーがF1復帰を模索していることは確実だが、レッドブル離脱後の余波は依然として大きく、トップチームが彼を受け入れる環境は整っていない。アストンマーティンとキャデラックの正式否定により、残る選択肢は限られてきた。2026年以降の新時代において、ホーナーが再びチーム代表の座に就くには、既存チームの買収や新規参入チームの設立といった大胆な動きが必要となる可能性が高い。トト・ヴォルフ型の「オーナー兼代表」という構想を実現できる場は少なく、彼の次の一手がF1界全体の注目を集めている。Source: PlanetF1.com