2026年のF1でドライバーズランキング首位を走るアンドレア・キミ・アントネッリについて、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが、同選手を育成プログラムへ迎え入れた経緯と、その成長を支えた家族の存在を明かした。ヴォルフは、アントネッリがF1デビュー前年から長期的な育成計画のもとで準備を進めてきたことを説明するとともに、父マルコ・アントネッリの存在が現在の成功に大きく貢献していると高く評価した。
ヴォルフ「2年目に飛躍する計画だった」アントネッリは2026年シーズン、ここまで5勝を挙げる活躍を見せ、ポールポジション、スプリント優勝、そしてドライバーズランキング首位など、F1史上最年少記録を次々と更新している。その快進撃について、ヴォルフはイタリア紙『La Gazzetta dello Sport』のインタビューで、当初から2年目で本格的な飛躍を遂げることを想定していたと明かした。「彼には落ち着いて成長するための1年が必要だと分かっていた。F1は下位カテゴリーとはまったく異なる世界だからだ」「マシンへの適応だけでなく、スポンサー対応やメディア対応なども学ばなければならなかった。我々の目標は2年目に大きく成長することだった。そして彼はまさにその通り、高いレベルの走りで素晴らしい結果を残している」「正直なところ、今の彼は我々の期待を上回っている。しかし、そこで満足してはいけない」ヴォルフは現在の評価に浮かれることなく、さらなる成長が必要だと強調した。「誰もが彼を称賛しているが、私はいつも冷静さを保つよう伝えている」「アイルトン・セナと比較すべきではない。セナは3度のワールドチャンピオンであり、F1史上最も偉大なドライバーの一人だ。キミはまだ5勝を挙げたばかりなのだから、成長する時間を与えるべきだ」才能を見抜いたのは9歳からヴォルフは、アントネッリをメルセデス育成プログラムへ迎え入れるまでの経緯についても詳しく語った。「彼が9歳か10歳の頃には、すでにカートで多くのタイトルを獲得していた。我々はその頃から彼を注視していた」その後、2019年にアントネッリはメルセデス・ジュニア・チームへ加入。当時から将来のF1ドライバー候補として育成が始まっていたという。ヴォルフは、その成長には家族の存在が欠かせなかったと説明した。「彼の成功は家族のおかげでもある。父親は元レーシングドライバーであり、AKMとアントネッリ・モータースポーツのオーナーでもある」「だからこそ、息子に素晴らしい助言を与えることができたのだ」ハミルトンも依然としてタイトル候補一方でヴォルフは、アントネッリのタイトル獲得の可能性を認めながらも、元メルセデスのルイス・ハミルトンを依然として有力なライバルと見ている。今季フェラーリへ移籍したハミルトンは、イギリスGP終了時点でランキング3位につけ、首位アントネッリとの差を32ポイントとしている。ヴォルフは、ハミルトンの実力を疑ったことは一度もないと断言した。「私は彼を疑ったことは一度もない。彼が偉大なチャンピオンであることは分かっている」「必要だったのは戦えるマシンだけだった。そしてフェラーリはそれを彼に与えた」「今の彼ならレースにも勝てるし、ワールドチャンピオン争いもできる」ベルギーGP以降も、メルセデスの若きエースとフェラーリへ移籍した7度の世界王者によるタイトル争いは、2026年シーズン後半戦の大きな見どころとなりそうだ。