メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが、F1カタールGP後に自身のInstagramアカウントのプロフィール画像を黒一色に変更し、事実上の“ブラックアウト”状態にした。レース終盤のミスをきっかけに、SNS上で過度な批判や心ない投稿が相次いだことが背景にあるとみられる。アントネッリはカタールGP決勝で5位を走行していたが、終盤にターン9でコース外に膨らみ、ランド・ノリスに4位を譲る結果となった。
この2ポイントの移動は、タイトル争いが最終戦アブダビまでもつれ込む状況に大きな影響を与える可能性がある。レッドブル関係者の発言が火種にこのシーンについて、レッドブルのエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼが「まるでノリスに道を譲ったようだ」と無線でコメントしたことが拡散。さらにヘルムート・マルコが「彼は意図的に通した」とメディアに語ったことで議論は加熱した。こうした発言がSNS上での批判を後押しし、アントネッリのアカウントには不当な書き込みが集中。彼が急きょプロフィール画像を黒く変更したのは、この状況への抗議か、あるいは静かに距離を置く意思表示と受け止められている。#NewProfilePic pic.twitter.com/BqRMRKRnwY— Andrea Kimi Antenolli (@F1KimiAntonelli) December 1, 2025 トト・ヴォルフが強く反論「完全なナンセンス」批判が広がる中、メルセデス代表のトト・ヴォルフはマルコの主張を一蹴した。「これは完全なナンセンスだ。聞いていて信じられない」とヴォルフは語り、アントネッリが意図的にノリスを通したという見方を強く否定した。「我々はコンストラクターズ選手権の2位争いをしている。アントネッリ自身も表彰台を狙える可能性があった。そんな状況で“譲る”わけがない。どうしたらそんな話になるのか理解できない」さらにヴォルフは、レース展開そのものへの不満やミスへの悔しさを吐露しつつも、「だからといって事実と異なる批判をぶつけるのは許されない」とし、アントネッリに向けられた過剰な反応に強い懸念を示した。タイトル争いはいよいよ最終戦へ一方、カタールGPではマックス・フェルスタッペンが優勝。マクラーレンがセーフティカー中にピットインしなかった戦略判断が裏目に出て、オスカー・ピアストリの勝機は消えた。ピアストリはチームメイトのノリスより16ポイント後方で最終戦アブダビへ向かう。ノリスは今回の4位で依然チャンピオンシップをリードしており、アブダビで3位に入れば自力で初タイトルを獲得できる。一方、フェルスタッペンは優勝、かつノリスが4位以下という条件が必要となる。アントネッリの一件は、白熱するタイトル争いの陰で起きた象徴的な出来事となり、若手ドライバーが抱えるプレッシャーとSNS時代の影響力の大きさを改めて浮き彫りにした。
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