メルセデスF1代表トト・ヴォルフは、アンドレア・キミ・アントネッリがチームの期待に応えていると語りつつ、F1で本領を発揮するには「もう少し時間が必要だ」との見解を示した。アントネッリはここまで9戦で48ポイントを獲得し、開幕戦オーストラリアGPでは4位入賞。マイアミGPのスプリント予選ではポールポジションを獲得し、F1史上最年少でのポール記録(フォーマット問わず)を達成した。なお、正式なグランプリ予選での最年少ポール記録は2008年のセバスチャン・ベッテルのものが今も保持されている
アントネッリはこれまでの全11回の予選(スプリント含む)で、チームメイトのジョージ・ラッセルに対して平均0.355秒のタイム差があり、平均グリッド順位はアントネッリが7.6番手、ラッセルが4.7番手となっている。決勝で完走した9レースの平均順位も、アントネッリが7.8位に対し、ラッセルは4.6位と上回っている。それでもアントネッリは、F1史上最年少でグランプリのリーダーを務めた記録や、最年少でファステストラップを記録した記録を日本GPで更新しており、ルイス・ハミルトンの後任として確かな成長を見せている。「私は彼の成長曲線が気に入っている」とヴォルフはメディアに語った。「我々の期待に対して、彼はまさにその通りのことをしてくれている。それは非常に良いことだ。必要なのは、ただ時間を与えることだけだ」一方で、アントネッリ自身は現在ルーキー勢の中で最上位に位置しており、次点のアイザック・ハジャー(21ポイント)の倍以上のポイントを獲得している。「今の自分にとっての目標は、すべてをうまくまとめることだと思っている」とアントネッリは説明した。「ポテンシャルは確かにある。スペインGPの予選でも、最後のラップでそれをもっと上位のポジションで示せた可能性があったと思う」「すべてを出し切れたとは言えなかったけど、厳しい週末が続いた後で再びリズムを取り戻せたのは良かった。特に予選ではね」