アルピーヌF1チームが、2027年シーズンから大きく姿を変える可能性が浮上している。複数の海外メディアによると、現在タイトルスポンサーを務めるBWTとの契約が2026年末で終了予定となっており、その後継候補としてイタリア高級ブランド「グッチ(Gucci)」の名前が急浮上している。GPblogは、グッチが新たなタイトルスポンサーとなり、チーム名が「グッチ・アルピーヌ・フォーミュラワン・チーム(Gucci Alpine Formula One Team)」へ変更される可能性があると報道。
一方、フランスのAUTOhebdoも、アルピーヌがグッチと協議を行っていると伝えており、両報道が一致する形となった。BWT時代の終焉で“ピンクのアルピーヌ”は消滅か現在の正式名称は「BWT Alpine Formula One Team」。2022年から続くBWTとのパートナーシップによって、アルピーヌは鮮烈なピンクカラーをF1グリッドに定着させてきた。BWTは水処理システム企業として知られ、過去にはフォース・インディアやレーシングポイントでも象徴的なピンクカラーを展開。アルピーヌでも強烈な視覚的アイデンティティを構築してきた。しかし、その5年契約が2026年末で終了予定となっており、アルピーヌは次の大型スポンサー探しを進めているとみられている。そこで浮上したのがグッチだった。鍵を握るルカ・デ・メオとケリングの関係今回の話題で最大の注目点は、グッチを所有する「ケリング・グループ」のCEOに、元ルノーCEOのルカ・デ・メオが就任している点だ。ルカ・デ・メオはルノー時代、アルピーヌF1プロジェクトを強力に推進した中心人物のひとりであり、2024年にはフラビオ・ブリアトーレをF1チームへ復帰させた人物としても知られる。AUTOhebdoは、デ・メオが「自動車」と「ラグジュアリー」という自身の2つの情熱を結びつける絶好の機会として、この提携を後押ししている可能性があると報じている。つまり今回の構想は、単なるスポンサー契約ではなく、“アルピーヌ再ブランディング計画”として動いている可能性がある。グッチがF1参入を狙う理由とはグッチ側にとっても、F1は極めて魅力的なマーケットになりつつある。特にアメリカ市場では『Drive to Survive』以降、F1人気が急拡大。若年層や富裕層へのリーチ力が強まり、ラグジュアリーブランドとの親和性が急速に高まっている。GPblogは、グッチがF1を通じて欧州とアメリカ市場でさらなる成長を狙っていると報道。これは近年、LVMHグループがF1全体との大型契約を進めている流れとも重なる。実際、F1パドックでは近年「ファッション化」が急速に進行している。ルイス・ハミルトンとディオール、フェラーリとリシャール・ミル、メルセデスとアディダス、マクラーレンとニューバランスなど、F1と高級ブランドの距離は急激に縮まっている。その中でグッチが本格参入すれば、“最もラグジュアリー色の強いF1チーム”が誕生する可能性もある。アルピーヌは否定せず “協議は常に存在する”AUTOhebdoとGPblogはいずれもアルピーヌ側へ取材を行っている。チームは提携を否定しなかった一方で、正式発表前の段階として慎重なコメントに留めた。「アルピーヌ・フォーミュラワン・チームは常に新たなパートナーシップの機会を模索しており、多くのブランドや企業と協議を行っている」「ただし、それらの協議は常に機密扱いであり、すべての関係者間で正式合意された場合にのみ公表される」このコメントは事実上、“協議そのものは存在する”ことを否定していない。“グッチ・アルピーヌ”誕生ならF1勢力図にも影響かもしグッチがタイトルスポンサーとして正式参入すれば、アルピーヌは数千万ドル規模の大型資金を得る可能性がある。近年のアルピーヌは成績面で苦戦が続いているが、一方でブランド戦略では大きな転換期を迎えている。ピエール・ガスリー自身もジバンシィやラコステのアンバサダーを務めており、すでにチームには“ファッションとの接点”が存在する。そこへグッチが加われば、アルピーヌは単なるF1チームではなく、“ラグジュアリーブランド化したモータースポーツチーム”へ進化する可能性がある。赤と緑のストライプ、GGロゴ、そしてファッションブランド特有の世界観がF1マシンへ投入されれば、視覚的インパクトは極めて大きい。そして、それはF1全体が今後どこへ向かうのかを象徴する動きになるかもしれない。