アルピーヌF1のマネージングディレクターであるスティーブ・ニールセンは、アメリカGP決勝でフランコ・コラピントがチームの指示に従わなかったことについて「失望している」と語った。56周のレース終盤、サーキット・オブ・ジ・アメリカズでコラピントは18番手を走行中、前を行くチームメイトのピエール・ガスリーを攻撃せず、ポジションを維持するよう無線で指示を受けた。
しかし、22歳のアルゼンチン人ドライバーはその指示を無視し、ターン1でガスリーをオーバーテイクしてしまった。ガスリーはアンダーカットを防ぐため早めにピットインし古いタイヤを履いていた一方、コラピントはスティントを延ばしていたため、新しいタイヤで優位に立っていた。「チームとして失望している」レース後、ニールセンは次のように語った。「チームとして、この週末全体を通して多くのことを見直す必要がある。我々の競争力は依然としてポイントを争えるレベルには達していないが、最近のイベントと比べれば小さな前進が見られたのは心強い」「今日はいくつかのチームと同様に、ハードタイヤがレースには好ましくないことを踏まえて、状況に合わせて戦略を調整する必要があった。ピエールについては、アンダーカットの脅威に対処するため少し早めにソフトタイヤへ交換したが、ピットストップが遅れてしまった点は見直しと改善を行う」「フランコはミディアムタイヤのスティントを延ばすことで終盤にタイヤの差を作り、ピエールに追いついた。我々は両マシンで燃料を管理していたこと、そしてトップ勢が接近している状況もあり、ポジションを維持するよう指示を出した」「チームとして、ピットウォールからの指示は最終決定であり、今回はそれが守られなかったことを残念に思っている。この件については内部で精査し、適切に対処する」チームオーダー無視が残す波紋アルピーヌは今季苦戦を強いられており、今回もポイント圏外での走行が続いていた。それでもチームとしては、両ドライバーの完走と戦略遂行を優先したかったと見られる。だが、ルーキーのコラピントは自らの判断でオーバーテイクを敢行し、チーム内の統制に疑問符を投げかける形となった。今回の件は、チームオーダーの在り方や若手ドライバーの裁量をめぐる議論を呼びそうだ。アルピーヌは「内部で対処する」としているが、今後の関係性やコラピントの立場に影響を及ぼす可能性もある。