アルピーヌF1チームは、スティーブ・ニールセンがチームのマネージングディレクターとして加入することを発表した。ニールセンはフラビオ・ブリアトーレの指揮のもと、9月1日付でチームに加わり、F1イタリアGP(モンツァ)を前にエンストンでのチーム運営全般を担当する。
F1界で最も経験豊富かつ信頼される人物の一人であるニールセンにとって、これはエンストンへの復帰となる。彼は過去にベネトンやルノーで複数回勤務しており、特に2005年と2006年にルノーがコンストラクターズおよびドライバーズの両タイトルを獲得した際にはスポーティングディレクターとしてチームを支えていた。それ以降、ニールセンは他のF1チームに加え、FIA(国際自動車連盟)やフォーミュラワン・グループでも要職を歴任。特に2020年の世界的なパンデミックの最中にはF1のレース再開に向けた枠組みの構築に中心的な役割を果たした。BWTアルピーヌF1チームでは近年、組織全体で重要な人材の補強を進めており、今回のニールセンの加入もその一環だ。技術部門では、デヴィッド・サンチェス エグゼクティブ・テクニカルディレクターの直属として、クリス・ミッジリーが空力開発責任者(Head of Aerodynamic Development)に就任。ミッジリーは2007年から2013年までエンストンに在籍しており、その後フェラーリに移り、プリンシパル・エアロダイナミシストとして活躍した。彼の再加入は、2026年に導入される新レギュレーション時代に向けて技術部門の強化を図る重要な一手とされている。また、グローバルマーケティングディレクターとしてガイ・マーティンも新たにチームに加わった。マーティンはこれまでVisaにてスポンサーシップ戦略やパートナーシップ交渉、現場でのアクティベーションから商業化に至るまで幅広く携わっており、Visa CashAppレーシングブルズをはじめ、FIFA、オリンピック、NFLインターナショナル、ディズニー、アフリカ・ネイションズカップ、そしてFIAフォーミュラE選手権など、さまざまなスポーツ・エンタメプロパティに関与してきた。さらにVisaでは、音楽やゲームといった新たなエンターテインメント領域を取り込むことで、ファンや顧客との接点を拡大し、新たなオーディエンス獲得にも寄与したという。2026年に向けた改革の波が加速するアルピーヌF1チーム。ニールセンを筆頭とする新体制の手腕に注目が集まる。
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