トールマンF1チームの創設者兼オーナーであるテッド・トールマンが86歳で亡くなった。彼の死去は家族からの声明で確認された。トールマンF1チームは1981年から1985年にかけて70戦に参戦し、その後ベネトンに買収され、現在はアルピーヌF1チームとして活動している。
トールマンといえば、3度のワールドチャンピオンであるアイルトン・セナにF1デビューをさせたことで最もよく知られる。1984年にチームに加入したアイルトン・セナは初年度に3度の表彰台を獲得し、翌年にはロータスに移籍した。1984年はコンストラクターズランキング7位となり、トールマンにとってF1で最も成功したキャンペーンとなった。トールマンがF1に参戦していた短い期間に活躍したドライバーには、ステファン・ヨハンソンやデリック・ワーウィックなどがいる。アイルトン・セナは1984年にトールマンでF1デビューを果たした。家族によれば、テッド・トールマンはオフショアパワーボートレーサーとして数々の選手権で優勝するなど、F1以外では「熱心な冒険家」だったという。彼はル・マン24時間レースやダカール・ラリーなど、有名なモータースポーツ・イベントにも参加した。F1での活躍の後、トールマンは妻のメイティとともにオーストラリアのゴールドコーストとフィリピンのマニラを行き来する日々を送っていた。トールマンは長期にわたる闘病生活を送っていたが、4月10日に心筋症候群の合併症のため亡くなった。ステファノ・ドメニカリ(F1会長兼CEO)は「テッド・トールマンが亡くなったと聞いて悲しく思う。彼はF1に多大な貢献をし、その功績と遺産は常に我々の歴史の一部となるだろう。私たちの思いは、この悲しい時に彼の家族と友人とともにある」と哀悼の意を表した。