スクーデリア・アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストとテクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンが2022年のF1バルセロナテストの最終日を振り返るとともに、3日間のプレシーズンテストを総括した。最終日、アルファタウリF1は、午前にピエール・ガスリー、午後に角田裕毅の走行を予定していたが、ガスリーが昼休み前の1時間の時点でターン1でクラッシュ。マシンの修復には時間が足りず、ウェットでの走行を含め、角田裕毅は走るすることができなかった。
それでもチームとしてスクーデリア・アルファタウリは合計308周を走破。新車『AT03』は速さと信頼性を兼ね備えたマシンだとチーム代表のフランツ・トストは語る。「ここバルセロナでのAT03での最初のテストは本当にポジティブだった。我々のエンジニアは優れた車を開発してくれたと思うし、速さと信頼性の両方を兼ね備えていると思う」とフランツ・トストはコメント。「裕毅とピエールの2人ともが多くの周回数を走り込むことができ、今年に向けて本当に強力な基盤を築けたと思っている」「残念ながら、今日はピエールがフロントタイヤをロックさせてしまい、第5コーナーでスピンを喫したことで、走行時間を失い、裕毅が午後に走れなくなった」「この3日間を通して308周(1,439.9km)を走破しており、バーレーンの次回テストに向けて良い基礎になると思う。ここバルセロナで多くのデータを収集でき、CFDと風洞の良好な相関関係を構築し、今後の開発ステップの適切なベースラインになるはずだ」「もちろん、バーレーンに向けていくつか細かいことを変更するが、次のテストに向けて良い基盤ができたと思っている」テクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンは最終日のプログラムについて「ここバルセロナで2日間堅実なテストを続けてきたが、今日は我々にとって少しチャレンジンな日となった。出だしは順調だったし、序盤の走行では空力データの収集や様々なバックグラウンドテスト項目に使用された」と説明。「残念ながら、序盤のベースライン走行中にピエールがコースオフを喫し、マシンにダメージを与えた。チームの最善な努力にも関わらず、午後のセッションで裕毅がドライブできるようにマシンを修復するには時間が足りず、今日は早めに切り上げることになった」「テスト全体を振り返ると、1日目と2日目にある程度の距離距離をカバーし、多くのテスト項目を完了し、A03の学習と開発に役立つ大量のデータを収集した。したがって、全体像を見れば、進歩状況には満足していると言えるが、各チームで実されるプログラムの範囲は多様であるため、競争力についてはあまり多くの結論を出すことは困難だ」「それでも、バーレーンでの次回テストに向けて取り組むための大量のデータを収集できたので、パッケージをさらに前進させられると確信している。これから我々は初戦に向けてパッケージの理解と開発を継続し、冬季テストプランを完了することを目標にバーレーンへと向かう」