フェルナンド・アロンソが、自身のキャリアを巡る「最大の誤解」に反論した。アストンマーティンで苦戦が続く中、アロンソはF1におけるドライバー評価のあり方や、自身に長年付きまとってきた“チームプレーヤーではない”というイメージについて率直に語った。さらに、ランス・ストロールの実体験を例に挙げながら、現代F1ではマシン性能が結果を大きく左右すると強調している。
「最高のドライバーでも勝てない」 F1の現実を指摘アロンソは、ドライバーの実力がタイトル数だけで評価される風潮に疑問を呈した。「人々は誰が最も多くタイトルを獲得したかを見て、自動的にそのドライバーを最高だと考える。でもタイトルの数だけでは決まらない。それはどんなスポーツでも同じだ」「チャンピオンズリーグを6回制した選手やワールドカップを1回、2回獲った選手が必ずしも最高の選手とは限らない。チーム全体の努力なんだ」そして、現在のF1でその現実を最も象徴している存在としてマックス・フェルスタッペンを挙げた。「F1はその意味では少し不公平なのかもしれない。でも理解しようとしない人に説明しても仕方がない」「F1とはそういうものだ。マックス・フェルスタッペンは今のグリッドで最高のドライバーだと思う。でも今年の選手権は5位か6位で終えるだろう。つまり結局はマシンに左右されるんだ」ストロールの“3.5秒”エピソードアロンソは、自身の主張を裏付ける例としてチームメイトのランス・ストロールが語っていたエピソードを紹介した。ストロールはウィリアムズやフォース・インディア時代、予選Q1敗退圏内を争うことが多かった。しかし2020年に“ピンク・メルセデス”と呼ばれたレーシングポイント RP20を手にすると、一気に上位争いへ加わった。「ランスはいつも面白い話をしてくれる。彼はF1で10年走っているが、最初の4〜5年はウィリアムズやフォース・インディアでQ1付近を走っていた」「ところが突然、“ピンク・メルセデス”の時代が来た。そしてハンガリーに行ったら3.5秒も速くなり、前年は19番手だったのに3番手からスタートした」さらにアロンソは、当時ストロールが受けた質問を紹介した。「FIAの記者会見で『ランス、3.5秒も速くなったけど冬の間に何を変えたの?』と聞かれた」「すると彼は『何も変えていない。3.5秒速くなったのは、隣にいる2人と同じようなクルマを手に入れたからだ』と答えた。その場にはハミルトンとボッタスがいた」アロンソは、この出来事こそF1の現実を物語っていると語る。「もし当時Q1敗退圏にいたドライバーたちが、ハミルトンやボッタスのメルセデスを与えられていたら、いつも表彰台に上がっていただろう」アストンマーティンの苦戦は想定以上アロンソは現在のアストンマーティンについても率直な見解を示した。2026年レギュレーションへの対応は順調とは言えず、とりわけパワーユニットの競争力不足が開幕直後から明らかになったと認めている。チームはすでに今季後半を見据えた再建モードに入っており、大型アップグレードによって中団争いへの復帰を目指している。それでもアロンソのモチベーションは揺らいでいない。「トップ10圏外を走っていたドライバーが翌年にはレースで勝つこともあるし、その逆もある」「だからモチベーションは失っていない。僕は自分自身を信じているし、自分に何ができるか分かっている」「少なくとも僕自身は、世界中のどのドライバーと同じマシンを与えられた時に競争力が足りなかったと感じたことは一度もない」“問題児”イメージを否定アロンソは最後に、自身へ向けられてきた“チームをかき乱すドライバー”という評価についても反論した。特にマクラーレン・ホンダ時代にはエンジン批判が大きく取り上げられたが、実際にはテレビ中継が一部の無線だけを切り取っていたと主張する。「マクラーレン・ホンダ時代の3〜4年間を振り返ると、本当にパワーユニットに問題があった」「でもエンジンに不満を言っていたのはアロンソだけだったように見えたよね。鈴鹿での有名な無線もそうだ」「ジェンソン・バトンの無線も毎週末ほとんど同じ内容だった。でもそれは放送されなかった。チーム内に留まっていたからだ。本来なら僕の無線もそうであるべきだった」さらにフェラーリ時代を例に挙げ、自分は常にチームを支えてきたと強調した。「僕はアルピーヌにも2年間いたし、キャリアを通じて常に勝っていたわけではない」「フェラーリでは5年間を過ごし、2度のタイトルを最終戦で失った。それでもチームを批判したことはなかったと思う」「いつもフェラーリを支えていたし、僕たちはひとつのチームだった。その団結力があったからこそ、当時のレッドブルと戦えたんだ」そしてアロンソは、自身の現在の姿勢が特別なものとして受け止められていることに驚きを示した。「今になって僕がチームを支えていると言われるのは少し驚きだ。僕はずっと、どのチームでもチームを支えようとしてきたのだから」
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