フェルナンド・アロンソは、F1イギリスGPでチームがランス・ストロールと異なる戦略を採用したことに対して強い不満を表明した。変わりゆく天候のなか、ストロールが17番グリッドから7位まで順位を上げた一方で、アロンソは7位スタートから9位フィニッシュに終わった。レース中盤、ストロールは6周目にバーチャルセーフティカー中のピットインを皮切りに、10周目にも再度ピットインし、絶妙なタイミングでインターミディエイトタイヤを履いたことで、一時は3位に浮上。
これに対しアロンソは11周目に1回目のピットストップを行い、順位を6位から10位に落とす結果となった。さらに37周目にはスリックタイヤへの交換を敢行したが、これは大多数のドライバーよりも数周早く、再びタイムをロスした形となった。アロンソはスペインのスポーツメディア「DAZN」に対し、「とても難しいレースだった。僕たちにとっては機会を逃したという結果に終わった」と振り返った。「当然ながら満足はしていない。7位スタートで9位フィニッシュだ。何かを間違えたんだ」「こういう状況では、彼(ストロール)の側のピットウォールの判断の方が正確なことが多い。今回は彼が2回ストップした後に僕はようやく1回目のピットに入った。彼は3位まで上がった」「僕には理解しづらいことがある。だって、もう1台のクルマが3位にいるのに、その情報を僕の側の判断に生かせないなんて。同じチームなんだから」また、アロンソは混乱した天候のなかでこそチームの判断がより重要になると指摘した。「僕には経験があるけど、データはない。チームが『ピットに入れ』と言えば僕は入るしかない。路面状況は伝えられるけど、それ以上のことはできない」「こういうコンディションでドライバーがすべてを判断して勝つ、なんて言う人がいるけど、それはナンセンスだ」「これは完全にデータで左右されるレースだ。特に1回目のストップは読みづらかったと思う。ルイス(ハミルトン)、ジョージ(ラッセル)、ピエール(ガスリー)、カルロス(サインツ)、僕も含めて、みんなほぼ同じ周にピットに入っているからね」「でも結果としてはエステバン(オコン)、ランス、ニコ(ヒュルケンベルグ)といった、より良い判断をしたドライバーの後ろでコースに戻ることになった」「2回目のピットは僕が一番早かった。チームはインターが熱を失っていると見てピットに入れた。でもその判断でまた25秒も失った。だから本当にフラストレーションが溜まるレースだった」このアロンソの発言に対し、アストンマーティンの代表アンディ・コーウェルは、戦略面での問題はなかったとの見解を示した。「問題はなかったと思っている。ピット戦略は中央で決定される。ピットボックスは1つしかないから、チーム全体の視点から考えなければならない」「序盤はピットタイミングが明確だった。インターは徐々に摩耗し、路面は乾いてきていた。どのチームの無線も『今がその時だ』という流れだった」「僕たちはフェルナンドを早めにピットに入れた。結果的には早すぎたが、あのとき両方のクルマを同じ周に止める寸前だった」そして最後に、「今となっては、フェルナンドの戦略もランスと同じにすれば良かったかもしれない」と認めつつも、決定は当時の状況に基づいたものだったと擁護した。このレースを終えて、アストンマーティンはコンストラクターズ選手権8位。ドライバーズ選手権ではストロールが12位、アロンソは14位となっている。