フェルナンド・アロンソは、今季初めてマシンに競争力が感じられたにもかかわらず、F1エミリア・ロマーニャGPで5番グリッドから11位まで後退してしまったレースについて、「純粋な不運だった」と悔しさを滲ませた。今回導入されたアップグレードと、予選に向けてミディアムタイヤを1セット温存するという戦略的判断が功を奏し、アストンマーティンの両マシンが今季初めてQ3進出を果たした。アロンソは5番グリッドからスタートし、レース序盤はその位置をキープして走行していた。
ランス・ストロールも数ポジション後方からスタートし、チームはダブル入賞の可能性も見えていた。しかしアロンソが早めにピットインした後、直後に導入されたバーチャル・セーフティカー(VSC)によって、多くのドライバーが“安上がりな”ピットストップを行い、アストンマーティン勢の前に復帰してしまったことで、流れが一変した。さらに状況は悪化。レース終盤のセーフティカー導入により、他の多くのドライバーが再びタイヤ交換を行ったのに対し、アストンマーティンには投入可能な新品タイヤが残っておらず、戦略的な対応が難しい状況となった。そうした中、アロンソは自身のレースをこう総括した。「ただただ運が悪かった。今日のクルマは本当に素晴らしかった。レース序盤はマクラーレンや(ジョージ)ラッセルについていけたし、これほど前方で競争できるとは予想していなかったから、うれしいサプライズだった」「P6かP7あたりで両マシンをフィニッシュさせられると考えていたけど、VSCのせいで他のドライバーたちが僕らの前でピットアウトすることになって、僕らのレースは終わってしまった。とても不運だったし、クルマは本当に競争力があった。いいバトルもできた」「終盤の数周でも、9周で3~4台をオーバーテイクした。今年はこんな走りをあまり経験できていないから、大きな前進だよ」アロンソはイモラでトップグループで戦った。特に注目すべきは、アロンソがその終盤に古いミディアムタイヤで見せたペースだった。彼は11位まで順位を上げ、今季いまだ届いていないポイント圏にあと一歩と迫った。ポジティブな材料としては、アストンマーティンのアップグレードパッケージが明確な成果を示したことが挙げられる。アロンソのチームメイトであるストロールは15位に終わったが、それはピットストップ後に交通に巻き込まれた影響が大きく、アップグレードの実力を判断するにはさらなるデータが必要だとしている。「来週はまったく違うタイプのサーキットでレースがあるから、そこでこの勢いを維持できるかどうか見てみよう」とアロンソは締めくくった。なお、アストンマーティンはコンストラクターズランキングで7位をキープしており、8位のレーシングブルズに対して4ポイント差をつけている。
全文を読む