フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンF1チームで苦境に立たされているという世間の認識は間違っていると語る。冬にアルピーヌから移籍した42歳のアロンソは、2023年序盤にはマックス・フェルスタッペンの最大のライバルの1人と目され、アストンマーティン加入は大成功に見えた。
しかし、シーズンを通してマシンを開発戦争が激化するにつれ、アストンマーティンはメルセデス、フェラーリ、そしてマクラーレンの後塵を拝するようになった。そしてオースティンで投入された最新のアップグレードは「大失敗」と表現するのが適切かもしれない。当初、アストンマーティンはオースティンのスプリントフォーマットのせいでセットアップを間違えただけだと考えていたが、メキシコで問題はさらに大きくなった。「セットアップの問題ではないと思う」とアロンソは語る。「これまでたくさんのことを試した。セットアップのせいではなく、パッケージと僕たちドライバーが自信を持てないことの問題だ」実際、アロンソのシーズンはメキシコで正念場を迎えた。彼は週末を通してすべてのセッションで“ナイフエッジ”にいるような感覚を味わっていたと率直に認める。「特に僕にとっては難しかった。マシンに自信がないから、いい仕事ができていない。自分のベストレベルには達していない」とアロンソは語った。しかしアロンソは、アストンマーティンの最新のアップグレードは前進ではなく後退だという説に反撃する。「2つのパッケージを比較するためにオースティンでレースをしたけど、 新パッケージに有利な結果が出たのは明らかだった」とアロンソは語る。「でも、僕たちはマシンにあまり馴染んでいないようだ。一瞬たりともマシンに自信が持てなかった」アロンソはまた、現時点でアストンマーティンがシーズンを好転させることができるかどうかについても悲観的な見方をしているが、2023年が失敗だったというわけではないと主張している。「僕らにとってはいいシーズンだった。フェラーリやメルセデスの前に出ることが可能だとは思っていなかったし、チャンピオンシップではまだそういったチームのドライバーよりも上にいる。それはポジティブな部分だ」とアロンソ。「ここ数戦はパフォーマンスが落ちているけど、レベルを回復させようとしている。仕事を続けなければならない。ファクトリーにもっと多くの情報を提供し、僕たちが経験している悪い流れを終わらせるために、できる限りのテストをしようとしている」「それは難しいことだ。でも、僕がメディアと話すために目にするのは葬儀ではない。時には、お祝いよりも困難から多くのことを学ぶこともある」しかし、2023年の最後の数レースに関しては、あと1回表彰台に上がる可能性があるかという質問に対し、アロンソは「ないと思う」と答えた。「今は何かを求めて戦うためにここにいるわけではない」と彼は認めた。「将来のために学び、情報を収集する時期なんだ。僕たちにとってシーズンは終わったんだ」