フェルナンド・アロンソが、ガゼッタ・デロ・スポルト紙のピノ・アリエヴィのインタビューに応じた。アロンソ、イタリアは奇跡を待ち望んでいます。僕の父は、『一人前のドライバーはレースに勝ちタイトルを獲得することもできるが、そのドライバーはフェラーリに乗らずして何を成し遂げるのか。』といつも僕に言っていたんだ。だから僕は今ここにいる。準備は全て整った。レースで勝つためにフェラーリに来た。
誰から競争心を受け継いだのですか?分からない。プディングを食べるときでさえ、僕は一番に食べ終えなければ気が済まない。子供の頃、学校からの帰り道、母と信号から信号まで競争したけど、母は僕が不機嫌にならないよう僕を勝たせなければならなかった。最悪な子供だったね。他にはないフェラーリならではのものとは何ですか?伝統、一貫性、情熱。マラネロでの初日以来、僕を背後で支えてくれる人たちは、僕の車に対する熱意と同じような熱意を見せてくれている。感性があり、愛する心がある。チームメイトはフェリペ・マッサですが、スキルもあり速いドライバーですね。マッサとはお互いに話をしますか?また、彼はあなたに何かアドバイスしてくれましたか?そうだね、マシンの挙動に関する技術面について話した。フェラーリとの関係はプライベート的なものでもあり、また皆それぞれ我が道を行くという感じでもある。ライバルは誰ですか?マッサ、ハミルトン、バトン、レッドブルの2人のドライバー(ウェバー、ベッテル)、シューマッハだ。シューマッハについては、カムバックするとは予想すらしていなかったよ。F1には、多くの素晴らしいドライバーがいますが、結局のところ、その違いは何ですか?トップを走るドライバーだ。ベストドライバーの10人の実力は極めて僅差だけど、仮にマシンを評価対象から除外するとしたら、タイヤとチームにかかってくる。100%の力を出し切った者が勝利する。 93%の能力を使うドライバーもいれば、97%の能力を使うドライバーもいる。19レースで99%の力を引き出せる者がいれば、彼がワールドチャンピオンになるだろう。あなたのご家族には常に仕事で危険に見舞われるという背景がありますね…僕の父は、鉱山の爆発物の責任者だった。父が勤務していた会社の倉庫で何度か爆発が起こり、何人かの人が亡くなった。でも、僕は幼かったので、全く危険な仕事だとは思っていなかった。では、今はどうですか?もちろん、危険の意味は理解している。一般道の走行を含め、車における危険はさらに恐ろしいものがあると考えている。レース開始直前にいろいろな感情がこみ上げてくるけど、チームの期待に応えるときは気力や緊張が最高潮に達する。でも、5〜6周走行するとストレスは消えてしまうよ。運命だと思いますか?そうだね、そう思うよ。僕たちのために全ては用意されており、皆それぞれ自分の運命を背負っている。いつからレースでお金を稼ぎ始めましたか?14歳のとき、カートの世界選手権で優勝し、チームを替えるようオファーがきた。僕は断ったけど、彼らは僕に全てのレースでシンボリックフィーを支払ってくれるようになった。それがプロになったきっかけといえる。あなたはレース日記を付けているのですか?いつも持ち歩いている。僕の気持ちを書き留めて、マシンについての変更内容や僕の所見についても書いている。全てのレースの前に、気になる点を調べて検討している。気になる点というのは緊張を生むものだ。アドレナリンと不安がミスを引き起こすことになる。決断は早い方ですか?慎重に考える方ですか?本当に素早い決断だった。噂によれば、あなたはアスナールのものまねが上手だと言われていますが…ええ、まあ。でも、ものまねが全てうまくいくとは限らないからね。しかし、あなたは大変素晴らしいマジシャンのようだとも聞いています。F1のライバルたちから真実を隠すことが重要なことですか?ありえないよ。常にみんなが見ているところで仕事をしているわけだから、トリックを使って騙すことなんてできない。フェラーリとの最初の重要なコンタクトはいつだったか教えて頂けますか?去年の夏、2010年の可能性について話し合ったときだ。最初は2011年のことについて話していたけど、それはまだかなり先の話だった。あなたはイタリアで認められていますか?そうだね、いつも同じような質問をされるよ。マドンナ・ディ・カンピリオでスキーをしていたとき、赤いフェラーリ・ジャケットを着た人から、『いつフェラーリに来るのですか。』と質問された。彼はわざわざ立ち止り、僕に質問してきたんだ。だから僕も負けじとすぐにこう言い返したよ。『ところで、あなたはいつフェラーリに来るのですか。』ってね。 どこでイタリア語を学びましたか?特別な勉強をしたことはないけど、とにかくイタリア語で話すことだね。実際にイタリア語で書くのは、とても大変な作業だ。vやpの文字が2つ連なって重なるような単語は今まで経験したことがないので、そういう合字と格闘しているよ。あなたの奥さんラクエルは有名な歌手ですが、今まで彼女のショーを見に行かれたことはありますか?ほとんどないね。彼女は年間50回前後コンサートを行っているけど、僕が見に行くとしても、恐らく2回くらいだと思う。非常に低いパーセンテージだね…あなたがフェラーリに移籍することについて、彼女は何と言いましたか?彼女は喜んでいるよ。僕たちの生活のことやカーレースのことなど、いろいろと話をしている。あなたはサッカーファンだそうですが、ミラノ、インテル、ユベントス、それともローマ、どこのファンですか?僕は、母国スペインのチームであるレアル・マドリードにとって悪夢としかいえないミランとともに育った。だから、彼らを本当に尊敬しているよ。