フェルナンド・アロンソが、デイトナ24時間レースを制覇。難しいコンディションでのレースにおけるウェイン・テイラー・レーシングの最後とは“パーフェクト”だったと述べた。フェルナンド・アロンソは、トヨタのWECチームで同僚である小林可夢偉とともにウェイン・テイラー・レーシングからデイトナ24時間レースに参戦。2017年の優勝マシンであるコニカミノルタ・キャデラック DPi-V.Rの10号車をジョーダン・テイラー、レンジャー・バン・デル・ザンとともに走らせた。
レースは、中盤からの降雨によって2度の赤旗中断を挟む大混乱の展開。イエローコーション中にもスピンアウトするマシンが続出する難しいコンディションとなった。最も多くのスティントを任されて、それぞれでリードを奪い、特に慣れないクルマでのウエットコンディションでレース巧者ぶりを発揮したフェルナンド・アロンソは、最後のスティントでもアクション・エクスプレス31号車のフェリペ・ナッサがコースオフしたことでトップに浮上。その後、2度目の赤旗が停止され、レースは10分を残してチェッカー。2度目のデイトナ挑戦で世界3大耐久レースのウィナーという称号を得た。フェルナンド・アロンソは「とにかくこのチームとの経験は素晴らしかった。テストからレースまで完璧に遂行してくれた」と NBCSN にコメント。「コンディションがとても変化したけど、僕たちはすべてにおいて競争力があった。ドライとウェット、夜も昼ものね。チームとスタッフ全員に本当に満足している」「今日達成した仕事をとても誇りに思っている。でも、1日の仕事ではなく、1ヶ月の仕事だった。12月に我々はレースの準備をスタートした。キャデラックがどのように仕事をしているのか、そしてウェイン・テイラー・レーシングがどのように働いているのか、他のチームと比較して異なるかもしれないいくつかの手順についてすべての文書を受け取った」「可夢偉と僕自身は、ロア(ビフォア24)でチームからできる限り多くのことを学ぼうとしていたけど、レース自体では非常に困難だった。状況は常に変化していたし、かなり衝撃的なときもあった」「すべてのラップが生き残りをかけたものだった。ラップタイムなどの問題ではなかった。ラインを横切ること、ラップをまとめることが重要だったし、最後にはそれがうまくいった」「レースの最後の5~7周は、視界がほぼゼロだったし、コース上にいた誰にとっても正しく適切ではなかったと思う。何も見えなかったので、すぐにチームにセーフティカーを求めた」最初の赤旗停止中、フェルナンド・アロンソはクルマに降りて他のドライバーたちとセーフティカーに近づいて話をしたという。「彼はほぼクラッシュしかけていたので彼と話をしに行った。僕は彼をフォローしていたし、彼はハイドロプレーニングでかなり危険な瞬間があった。その直後、彼は赤い旗をコールした。その瞬間、彼は少し怖かったと思う、そして、僕がクルマから降りて、彼に会うために私がセークティカーのところに行ったときは彼はもうそこにいなかった」「彼らはドライバーに話をしていたので、『大丈夫ですか? クラッシュしかけていたよね。コンディションは厳しい』と話した。彼は『私の判断ではないし、そのようなことではなかった』と言っていたよ」残り10分前にレース終了が告げられるまでチームは長い時間を待っていた。雨によってデイトナ24時間レースが24時間を待たずに終了したのは初めてのことであり、2度の赤旗中断となったのも初めてだった。アロンソは、レース終了が告げられるまでチームのピットスタンドで毛布にくるまって座っていた。「フルディスタンスでレースをするにはあまりにい酷かった。でも、僕たちは夜間、昼間、ドライ、ウェットでレースをリードしていたし、僕たち全員がこの勝利に値すると思う」チーム代表のウェイン・テイラーは、フェルナンド・アロンソはこれまで仕事をしたレーシングドライバーのなかでも最高の一人だと語った。「(息子の)ジョーダンが私の24時間レースの優勝回数に並んでしまってがっかりしているよ。こんな日が来ることは決して望んでいなかった!」とウェイン・テイラーは冗談交じりにコメント。「言葉にすることはできないい。すべてをまとめる必要があった。アロンソと合意するのに9ヵ月もかかったんだ! これを実現してくれたザク・ブラウン(マクラーレンCEO)に感謝しなければならない」「フェルナンド・アロンソは私がこれまで見てきたなかで最も印象的な男のひとりだ。そんな彼が無線で本当に(コンディションについて)怯えているのを聞いたときは『もうレースはやめてくれ』と突然我に返ったよ」昨シーズン限りでF1キャリアにピリオドを打ったフェルナンド・アロンソは、ル・マン24時間レースに次いで、世界3大耐久レースでの“2冠”を達成。今年は、F1モナコGP、ル・マン24時間レースに次いで世界3大レースでの“3冠”を目指してインディ500に再挑戦する。
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