F1ドライバーは、ハイメ・アルグエルスアリのF1デビューへの準備を疑問視している。ハイメ・アルグエルスアリは、今週末のハンガリーGPでトロ・ロッソからF1最年少デビューを飾るが、これまで2度しか直線テストを経験しおらず、最も経験の少ない出走者でもある。マーク・ウェバー、アルグエルスアリも同席しているFIA記者会見で「F1に昇格したときには準備ができていなければならない。F1は学校ではない」と述べた。
しかしウェバーは、この問題はシーズン中のテスト作業が一切禁止している現在のテスト制限規約によるものだも認めている。2002年に21歳でザウバーからデビューしたが、そのシーズン末にシートを失ったフェリペ・マッサも、同じ意見を口にする。「僕から見ると、彼は若すぎる。彼にとって良いことだとは思えない。僕はとても苦労した。さらに違うことは、苦労した僕でも少なくとも冬の間は何度もテストした」現在チャンピオンシップ首位のジェンソン・バトンも10代でF1デビューを果たしたが、2000年ウィリアムズからデビューするために冬期テストを行った。彼は、昨年の英国F3タイトルを獲得してFIAからスーパーライセンスを与えられたアルグエルスアリがオファーされたF1シートを受け入れたことを批判しなかったが、「彼のキャリアを完全に破壊するかもしれない」とも考えている。「彼がシートを獲得した理由はわからないけど、マシン開発に協力できるとは思えない」2007年にF1デビューした現ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンは、幼い頃からマクラーレンの支援を受けており、最も準備の整ったF1ルーキーだった。バトンのように、ハミルトンはトロ・ロッソのシートに座るチャンスに飛びついたアルグエルスアリを批判はしないが、自分が同じ決断をくださなくてよかったと述べた。「2006年にモントーヤがマクラーレンを去ったとき、僕が後任になるはずだった。でも、僕は直線テストしか経験していなかった。このとき彼の後任になっていたら、僕のキャリアで最悪の選択になっていただろう」ハミルトンは、マクラーレンのテスト・ドライバー、ペドロ・デ・ラ・ロサのペースに近づくには、本格的なテストを何日もしなければならなかったと語る。「自信と多くの準備が必要だ。テストをせず中国GPに参戦していたら、翌年シートがもらえたらどうかわからない」2001年にアルグエルスアリと同じ19歳でF1デビューしたフェルナンド・アロンソは、ハンガロリンクで同郷の後輩アルグエルスアリを訪ねた。彼はアルグエルスアリのチャンスについて、他のドライバーより楽観的だ。「僕らは金曜日に周回を重ねることができる。彼はこのレースには100%準備ができていないかもしれない。でも、これは素晴らしいチャンスだ。すぐに100%になることを期待しよう」