アルファロメオF1の2022年F1マシン『C42』は、これまで発表された新車のなかでは唯一、前後ともにプッシュロッド式サスペンションを選択している。アルファロメオF1は、2月15日(火)に事前予告なしに『C42』のシェイクダウンを実施。雨のフィオラノ・サーキットでカモフラージュ塗装がされたマシンをバルテリ・ボッタスが走らせた。
カモフラージュ塗装で偽装されてはいるもののアルファロメオF1の2022年F1マシン『C42』はいくつか興味深い要素を提示している。フロントウイングは、昨年までもモデルと同じようにアウトウォッシュを焦点としている。波上のプロファイルに加えて、これまで見たものよりも複雑なデザインの3つのエレメントを備えている。ノーズは3つのエレメントに接続され、中央のプロファイルはスプーン上にさらに低くなり、空力負荷を蓄積する。フロントウイングのエレメントは、特定の距離で下降してエンドプレートからに合流しており、気流をアウトボードに移動させている。これはアストンマーティンやマクラーレンが示したものよりも極端なソリューションだ。フロントサスペンションは水平面からかなりオフセットされたアームを備えた古典的なプッシュロッドパターンとなっている。サイドに目を移すと、サイドポッドは、メルセデス勢で見られたものと比較して、ショーカーに似たリアに向かって下降する形状をしている。冷却デバイスは気流がリアウイングに向けて効率的に流れるように可能な限り低く取り付けられているのがわかる。エアボックスは、2018年の『C37』で採用されていたスプリット型となっている。この選択は抵抗という点で問題は少なくなる。このソリューションは、従来の三角形のものよりも効率は低いが、マシンサイドをよりオープンにすることで最適化が図られている。アルファロメオ C42にはフェラーリの2022年型パワーユニットである『066』が搭載されているが、流出した『F1-75』の画像で確認される限りは、フェラーリF1が同じ設計を採用していない。ボディワークにはルーバーが刻まれているが、この部分のデザイン変更は禁止されていないことを考慮しておく必要がある。サイドポッドの下部には目立つフローコンベヤーがある。これは、リアサスペンションアームの上部の気流を教化し、フロア下の乱流を保護する役割を持っている。最も興味深いのは、リアサスペンションにプッシュロッドを採用していることだ。マクラーレンもリアにプッシュロッドを採用しているが、フロントはプルロッドであり、前後ともに採用しているのは今のところC42だけだ。他のチームはフロント/プッシュロッド、リア/プルロッドを選択している。アルファロメオF1は、アウターギアボックスを独自に設計することを選択した。エンジンとギアボックスのギアはフェラーリF1から供給を受けているが、ケーシングはチームが独自に設計・製造している。