アレクサンダ0・アルボンは母国政府と協力してF1をバンコクに誘致するプロジェクトに取り組んでおり、タイGPの計画に関するいくつかの詳細を明かした。「すべてが本当に有望に見える」とアルボンは語り、近い将来F1カレンダーに母国グランプリが加わることを期待している。
F1の「おいしい果実」を手に入れようと複数の国が熱望する中、タイはその実現に最も近い国のひとつのように見える。F1のCEOであるステファノ・ドメニカリも今年すでに同国を訪れている。アルボン自身も首相のペートンターン・チナワットと会談しており、タイ政府はすでに12億ドル(約1920億円)規模のF1誘致案を承認。2028年までに首都であるバンコクの市街地で開催を目指している。しかし、最近になってチナワット首相の地位は不安定になっている。元カンボジア首相フン・センとの電話会談の音声が流出し、タイ国内で大きな批判を呼んだからだ。ただし現時点では、チナワットは引き続き首相を務めている。この問題はあるものの、観光経済の活性化を目的にF1誘致に積極的だった前首相スレッタ・タウィーシンの意志を継ぎ、タイは引き続き計画を推進する見通しであり、アルボンもその中心的役割を担っている。「現実味がどんどん増してきている」と、今週末のF1オーストリアGPを前に語ったアルボン。「ご存知のとおり、タイは観光業が盛んで、F1はそのストーリーに完璧にフィットすると思う」「国にとって本当にいいことになると思う。それに、彼ら(政府関係者)はこの件を本気で進めているように見える。多くのレースにも足を運んでいて、今週末のレースにも来るかは分からないけど、ここ2~3戦はほぼ毎回来ている」「そしてすべてが前進している。これまでのところ後退は一切ない。それはすごく大事なことなんだ。あまり詳しくは言えないけど、僕が見た限りでは――サーキットも初期の計画も――すべてがすごく有望に見えるよ」個性的なサーキットにサーキット計画についてさらに話を促されると、アルボンは予定されているレイアウトや、もっと重要なロケーションに関して口を開いた。「バンコク中心部ではないとは言えるよ。タイやバンコクに来たことがある人なら分かると思うけど、あそこの交通事情はあまり良くないから、もう少し郊外寄りになる」「インフラやロジスティクス、つまり人の移動に関して多くの準備が進められている。サーキットそのものは……いわゆるクラシックな市街地サーキットとは違うと思う。ここ数年でよく見るタイプの市街地とは違って、もっとキャラクターがある。そこがポジティブな点だね」アルボンが母国にF1をもたらす存在にウィリアムズのチームメイトであるカルロス・サインツが、来季スペインで開催される第2戦「マドリング」のアンバサダーを務めているように、アルボンもバンコクでのF1開催に向けて自らの役割を果たそうとしている。「最終的には、政府がすごく支援的なんだ」と彼は付け加えた。「だから僕自身があれこれ発言したり、詳しく知っておく必要はそれほどない。でも同時に、成功させたいとも思ってる。今年や来年に向けて、F1やモータースポーツをタイで広めるための活動に取り組んでいて、政府とも関係者ともすごく密に連携している」「スポーツ観光、一般的な観光ともに関係してくる。あらゆる人たちと連携しながら、できる限り大きな取り組みにしていこうとしている」
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