トロ・ロッソ・ホンダの2019年レギュラードライバーに抜擢されたアレクサンダー・アルボンが、F1での目標、開幕戦に向けた準備、デビューイヤーへの思いなどについて語った。2019シーズンに向け、トロ・ロッソ・ホンダのドライバーラインナップは一新された。ホンダ製F1パワーユニットを搭載する2019年マシンSTR14のステアリングを握るのは、約1年半ぶりのF1復帰となるダニール・クビアトと、若干22歳の新鋭アレクサンダー・アルボンだ。
英国人の父親とタイ人の母親を持つアルボンは、2018シーズンFIA F2選手権で年間総合3位という実績を引っさげてF1デビューを果たす。レッドブル・ジュニアチームに在籍した経歴を持つアレクサンダー・アルボンは、2019シーズンのフォーミュラEに日産から参戦する予定だったが、トロロッソに引き抜かれた。2019シーズンの開幕戦オーストラリアが3月20日に迫る中、アレクサンダー・アルボンが、幼い頃からの夢が叶った心境を語った。レースナンバーに23を選んだ理由は?これまでレースナンバーは特に決めていなかった。カート時代だけ46を選んでいた。これは僕が大好きなバレンティーノ・ロッシのレースナンバーなんだ。でも、今回はもう46は使いたくなかった。ロッシのナンバーだからね。それで、その半分の23を思いついた。僕の誕生日も3月23日だし、ピッタリに思えた。F2からF1へのステップアップですが、ドライビングの要求度はやはり大きく増すのでしょうか?フィジカルは大きなステップアップになるね。純粋な筋力はそれほど大きなファクターではない。というのも、F1にはパワーステアリングが備えられているからね。でも、心肺機能に関しては、F1のレースの長さはF2の2倍になるから大きな違いだ。首にも相当な負荷がかかる。Gフォースも段違いに大きい。トレーナーと一緒に全力でトレーニングに取り組んでいる。そのほとんどを有酸素運動や首・体幹の筋力トレーニングに費やしている。メンタル面は、ステアリングホイールの機能を覚えるのが大変だね。F1はマシンの中で操作しなければいけない部分がF2よりはるかに多い。掴みかけているところだ。あと数日はシミュレーターでトレーニングする予定だ。バルセロナでのプレシーズンテストまでに準備万端にしておく必要があるし、できる限りの努力をしているところだ。あなたのトロロッソ加入がアナウンスされたのは、冬休みに入る直前でした。決定までずいぶん待たされたと思いますが、F1デビューに向けて気持ちは高まっていますか?もちろん、メルボルンの開幕戦を走るのは夢だった。まだF1ドライバーがどんなものなのかを理解しようとしている段階だけど、開幕が近づいているし、実感に変わってきている。気持ちについては、怖くもありエキサイティングでもあり、というのが本音かな。もちろん若干のプレッシャーはあるけれど、重要なのは楽しむこと。F1デビューは6歳の頃から夢見てきたことだし、メルボルンでは思いきり楽しむつもりだ。F1でのデビューシーズンを迎えるにあたり、あなたが得た最高のアドバイスは?確かF1デビューが決まって最初に言われたアドバイスだと思うんだけど、F1ではシーズンを通してドライバーが注目されるから、対応が大変だぞと言われた。世間の注目がドライバーの負担になるケースは、実際に見たことがある。あとは、自分の立ち位置をキープし、目の前の仕事に集中しろとアドバイスされた。それを正しくこなせている限りは、良い1年を過ごせるだろうとね。レッドブル・ファミリー復帰組のあなたとクビアトにとって、今シーズンは実力を改めて示すチャンスだと思いますが、あなたはどう捉えているのでしょう?レッドブル・ファミリーへ復帰することになり、モチベーションと決意にみなぎっている。ダニールと僕には証明すべきことがあると感じているし、率直に言って、ファミリーに復帰してトロロッソでレースするチャンスを与えられたのは、まさしく夢が叶った気分だ。