角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、2025年の“デストラクターズ選手権”でシーズン2位に後退した。サンパウロGP週末でフロントウイングを破損したものの大きな損傷には至らず、累計損害額は290万ユーロにとどまっている。しかし、ガブリエル・ボルトレトがスプリントでの大破と決勝での接触により週末だけで5億円超の損害を発生させ、ランキングで一気に首位へ浮上。これにより角田裕毅の順位が逆転される形となった。
ブラジルGPでの大破がボルトレトの首位浮上を決定づけるサンパウロでは週末を通してクラッシュが相次ぎ、特にスプリントのオープニングコーナーで発生したボルトレトの大事故が最大の注目点となった。サウバーのマシンは強烈な衝撃でバリアにヒットし大破。さらに決勝でも1周目に接触を喫したことで、週末単体の損害額が急増した。その結果、ボルトレトの今季累計は310万ユーロ(約5億2,700万円)まで上昇し、角田裕毅を抜いて“デストラクターズ選手権”の不名誉な首位に立った。角田裕毅は290万ユーロで2位にとどまる角田裕毅はサンパウロでフロントウイングを破損したものの、シャシーやサイドポッドに大きなダメージはなく、累計損害額は290万ユーロ(約4億9,300万円)にとどまっている。ただし、これまでランキングトップだった反動もあり、ボルトレトの“週末だけで5億円超”という異例の急増によって順位を明け渡す結果となった。記事では角田裕毅について「フロントウイングの損傷によりシーズン合計が290万ユーロに到達した」と明記されており、今季は中小規模の接触が積み重なって総額が膨らんだ様子がうかがえる。ドライバーズ首位ノリスも3位に ランキングは“意外な顔ぶれ”興味深いのは、現在ドライバーズ選手権の首位に立つランド・ノリスが230万ユーロ(約3億9,100万円)で3位にいる点だ。ノリスはサウジアラビアとカナダで大クラッシュを喫しており、パフォーマンス上位でありながら損害額も多いという対照的なシーズンとなっている。また、わずか6戦のみの出場であるジャック・ドゥーハンが5位に入っているのは、日本での大規模事故が影響しているためだ。一方、最も損害額が少ないのはマックス・フェルスタッペンで、年間わずか20万ユーロ(約3,400万円)。マイアミ、オーストリア、ブラジルで軽微な接触はあったものの、トップドライバーらしい安定性が数字に表れている。2025年“デストラクターズ選手権”トップ10(ブラジルGP時点)■ 1位 ガブリエル・ボルトレト 310万ユーロ(約5億2,700万円)■ 2位 角田裕毅 290万ユーロ(約4億9,300万円)■ 3位 ランド・ノリス 230万ユーロ(約3億9,100万円)■ 4位 ランス・ストロール 210万ユーロ(約3億5,700万円)■ 5位 ジャック・ドゥーハン 190万ユーロ(約3億2,300万円)■ 6位 シャルル・ルクレール 170万ユーロ(約2億8,900万円)■ 7位 オスカー・ピアストリ 160万ユーロ(約2億7,200万円)■ 8位 アイザック・ハジャー 150万ユーロ(約2億5,500万円)■ 9位 フランコ・コラピント 140万ユーロ(約2億3,800万円)■ 10位 リアム・ローソン 140万ユーロ(約2億3,800万円)コストキャップ時代では“壊さないこと”も実力の一部2021年から導入されたコストキャップにより、クラッシュによる損傷はそのまま開発計画に影響し、それが競争力に直結する。特に中団チームではスペアパーツの不足が発生しやすく、1度の大破で数戦分のアップデートが犠牲になるケースも珍しくない。ボルトレトのサンパウロでの大破は、サウバーにとって財政的・戦略的に大きな痛手となる可能性が高い。一方で角田裕毅は、これ以上損害額が膨らむとレッドブルの戦略に影響を及ぼす可能性もあり、残りのレースでのリスク管理がより重要となる。