2025年シーズンも終盤を迎えるなか、角田裕毅のF1キャリアは岐路に立たされている。2026年に向けたレッドブルの決断を待つ日本人ドライバーは、今季これまでノーポディウム、ドライバーズランキング17位と苦しいシーズンを過ごしており、チームの要求水準を満たせていない。
それでも、希望の灯は完全には消えていない。後任候補が限られていることから、2026年の新レギュレーションに対応するための“知識と経験”がチーム内で再評価されつつある。残り4戦で印象を残すことができれば、レッドブルあるいはレーシングブルズでシートを守る可能性は残されている。メキースとマルコの意見対立、残留の鍵は最終戦までの働きホンダとの関係性が角田裕毅に有利に働くことは確かだが、それだけでは十分ではない。ローラン・メキースとヘルムート・マルコの間では角田裕毅の評価が分かれており、後者は交代を推す立場だと報じられている。チームは当初、メキシコGPまでに去就を決める予定だったが、決断は持ち越されている。残された時間はわずかだが、ここからの4戦で角田裕毅がどれだけチームに貢献できるかが、残留の可否を左右する。角田裕毅自身も今週末のブラジルGPに向けて「今週末はコンストラクターズポイントを伸ばして、マックスをできる限りサポートすることに集中したいです」と語っており、チームプレーへの意識を強めている。ペレスが見せた“献身的防衛”──2021年アブダビの再現なるかレッドブルが現在置かれている状況は、2021年のタイトル決戦を思い出させる。当時、マックス・フェルスタッペンのタイトルを支えたのがセルジオ・ペレスだった。アブダビGPでペレスはルイス・ハミルトンを壮絶に抑え込み、フェルスタッペンが20秒差を一気に詰める展開を作り出した。この“チームのための防衛”が結果的にシーズンの行方を変えた。角田裕毅が今、同じような役割を果たすことができれば──たとえばマクラーレン勢をレース中にブロックし、フェルスタッペンを援護するような形でチームのタイトル争いに貢献できれば──残留への道は再び開ける可能性がある。角田裕毅に求められるのは「速さ」よりも「貢献」この見解はF1 OVERSTEERによるもので、角田裕毅に残された道は「個人の速さ」ではなく「チームへの戦略的貢献」だと指摘している。マックス・フェルスタッペンがタイトル争いを続ける中で、レッドブルにとって角田裕毅の存在意義は明確になりつつある。単独で上位を狙うことが難しい現状では、戦略的なチームプレーが最も効果的な自己アピールになる。レース中にマクラーレン勢を抑え、チームのポイント獲得を最大化する走り──まさに“ペレス戦法”の再現だ。残りわずかな4戦で角田裕毅がその役割を果たせば、評価は一変する。それが2026年のF1残留を懸けた、最後の試験となる。