角田裕毅をはじめ、F1ドライバーたちの契約期間は常に注目の的だ。2025年シーズンも折り返しを迎え、誰が来季以降も残留できるのか、その行方に関心が集まっている。フェルスタッペンの長期契約やアロンソの延長、そして角田の去就など、各チームの判断がタイトル争いや将来の勢力図に直結する。ここでは全ドライバーの契約状況を整理し、2026年以降のシートがどうなるのかを見ていく。
■マクラーレンオスカー・ピアストリ:複数年契約2023年にF1デビューを果たして以来、大きな印象を残したピアストリは、少なくとも2027年末までマクラーレンと契約を結んでおり、それ以上に長い可能性もある。どの契約にも共通するように、双方にとってのオプションや条項が存在するとみられている。ランド・ノリス:複数年契約ノリスはF1で7年目を戦っており、しかもずっとマクラーレンに所属している。ドライバーとチームの双方が忠誠を誓い合っている形だ。彼の契約は少なくとも2026年末まで続くが、さらに長く、途中解約条項もあると理解されている。■フェラーリシャルル・ルクレール:複数年契約7度のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンが2025年からチームメイトになると発表される直前の2024年初頭、ルクレールは新たな契約を結んだ。今回の契約も柔軟性を持たせた未公表の複数年契約だ。ルイス・ハミルトン:複数年契約メルセデスからフェラーリへの大型移籍も「複数年契約」と発表された。この契約は3年契約、つまり2027年までと報じられており、彼がメルセデスでも望んでいた契約年数と同じだ。■レッドブルマックス・フェルスタッペン:2028年2025年シーズンを通じて、レッドブルの不振や契約内の条項を理由にフェルスタッペンの将来について多くの報道があった。しかし彼の契約は2028年まで有効であり、現4度のワールドチャンピオンは来季も残留することを最近確認した。角田裕毅:2025年角田は5年目をレッドブルの姉妹チーム、レーシングブルズで迎えたが、リアム・ローソンの不振を受けて2戦後にトップチームへ昇格した。ただしフェルスタッペンの横で苦戦しており、2025年以降の残留をかけた戦いを強いられている。■メルセデスジョージ・ラッセル:2025年レッドブルのフェルスタッペン獲得に興味を示すトト・ヴォルフの動向から、ラッセルの将来も話題に上った。ラッセルの現契約は2025年末までだが、2022年以来所属しているチームで今後も続けることになりそうだ。キミ・アントネッリ:2025年ルーキーのアントネッリは起伏のあるデビューシーズンを送っているが、すでにポールポジションや表彰台で才能を示している。イタリア人ティーンエイジャーは2026年の新レギュレーション時代に向けて契約延長が見込まれている。■アストンマーティンフェルナンド・アロンソ:2026年44歳のアロンソはグリッド最年長ドライバーだが、2000年代半ばにルノーで2度のタイトルを獲得した二冠王者は、2024年初頭に結んだ複数年契約により少なくとももう1シーズンはアストンマーティンで走る。ランス・ストロール:2026年父ローレンスのチームで2019年からシートを占め続けているストロールは、2024年半ばに契約延長を発表。オーナーの父がチームを率いる限り、シートは安泰とみられる。■アルピーヌピエール・ガスリー:複数年契約ガスリーは2023年にレッドブルファミリーを離れアルピーヌに加入した。昨夏、新たな複数年契約を結んでおり、少なくとも2026年末まで続く。フランコ・コラピント:2025年(レースごと)ガスリーのチームメイト枠は2025年当初ジャック・ドゥーハンが務めていたが、2024年にウィリアムズで代役を務めたコラピントが起用された。「チームがレース単位で決めるのか、シーズン全体にするのかはチーム次第だ」と当時アルピーヌのエグゼクティブアドバイザー、フラビオ・ブリアトーレが説明しており、2026年の計画はまだ明かされていない。■ハースF1チームエステバン・オコン:複数年契約ハースは2025年にドライバーラインナップを一新。キック・ザウバーに移籍したニコ・ヒュルケンベルグやスポーツカーに転向したケビン・マグヌッセンに代わり、グランプリ勝者のオコンを起用。契約は複数年となっている。オリバー・ベアマン:複数年契約2024年サウジアラビアGPでフェラーリの代役を務め、印象的な走りを見せたことでF1パドックに名を広めたベアマンは、小松礼雄率いるチームでフルタイムのシートを獲得。契約は非公表の複数年契約だ。■レーシングブルズアイザック・ハジャー:2025年デビュー戦のオーストラリアでフォーメーションラップ中にクラッシュするも、その後ルーキーシーズンでポテンシャルを見せてきた。2025年以降の将来はレッドブルの判断次第で、すでにトップチーム昇格の噂もある。リアム・ローソン:2025年2025年のシーズンは夢のようなレッドブル昇格で始まったが、2戦で厳しい結果に終わりすぐにレーシングブルズに戻された。現在は評価を立て直しており、姉妹チームでの来季残留を目指している。■ウィリアムズアレックス・アルボン:複数年契約かつてレッドブルに所属したアルボンは2022年にF1復帰を果たし、それ以来ウィリアムズを拠点としている。チーム代表にジェームス・ボウルズが就任した後の2024年に新契約を結び、少なくとも2027年末まで続くとされる。カルロス・サインツ:複数年契約アルボンの残留に加え、ウィリアムズは大物獲得に成功した。フェラーリでのシートをルイス・ハミルトンに譲ったサインツは2025年に加入し、少なくとも2026年末までチームに所属する。■ザウバー/アウディニコ・ヒュルケンベルグ:複数年契約ヒュルケンベルグは昨シーズン序盤に早々とドライバー市場を動かし、キック・ザウバーと契約。2025年に加入したこの契約は複数年で、2026年からアウディのワークスチームとなった後も、うまくいけば40代までレースを続ける選択肢を持つ。ガブリエル・ボルトレト:複数年契約F3とF2で連続タイトルを獲得し、アロンソのマネジメントの一員でもあるブラジル人のボルトレトは、少なくとも2026年末までザウバー(その後はアウディ)と契約を結んでいる。■キャデラックキャデラックは2026年にF1の11番目のチームとして参入する予定だ。イギリス・シルバーストン近郊にヨーロッパ拠点を持つアメリカ主導のチームとなる。ドライバーはまだ発表されていないが、バルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスが有力候補と目されている。