マックス・フェルスタッペンの去就を巡る噂が飛び交う中、レッドブルはセカンドドライバーに関しても難しい決断を迫られている。角田裕毅のパフォーマンスが問題視されており、その将来に疑問が投げかけられている。2025年シーズン途中にリアム・ローソンの後任としてレッドブルに昇格した角田裕毅は、これまでの9戦でわずか7ポイントしか獲得できておらず、ドライバーズランキングでは17位に低迷している。
特に苦戦が目立ったのは前戦オーストリアGPで、予選ではQ1敗退(18番手)を喫し、決勝ではランス・ストロールとフランコ・コラピントに相次いで接触。後者のインシデントでは10秒加算ペナルティが科され、2周遅れの最下位フィニッシュとなった。なおこのレースでは、フェルスタッペンがキミ・アントネッリに押し出されてリタイアしており、角田裕毅が唯一のレッドブル勢として走り切った。こうした状況下で、ヘルムート・マルコは母国2連戦の2戦目となるイギリスGPでオーストリアのKleine Zeitungに対し、角田裕毅をシーズン終了まで起用し続けると明言した。「シーズンを最後まで走らせるという計画に変わりはない」とマルコ。「我々には他に選択肢がないんだ」「彼とは話をしたし、エンジニアリングチームとも話をしている。シュピールベルクでは完全にキャパオーバーだった」「今後はマックス寄りの硬いセットアップにしすぎないようにして、彼を安定させたい。それが助けになるかもしれない」しかし、そのイギリスGP週末も角田裕毅には明るい兆しは見られず、金曜プラクティスではフェルスタッペンにコンマ6秒以上の差をつけられ、15番手に沈んだ。さらに、角田裕毅が使用していたのは旧仕様のRB21であり、フェルスタッペンはアップグレード版のフロアを装着していた。決勝では、オリバー・ベアマンとの接触で10秒のタイムペナルティを受け、最後尾の15位完走に終わった。2戦連続でペナルティを受けるなど、精彩を欠く内容となっている。この状況について金曜のFIA記者会見で質問を受けたレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーも、マルコの立場を支持し、角田裕毅は今季残りも起用し続けると明言した。ただし2026年については、レッドブルは自陣のドライバー育成枠を優先しつつも、外部の人材にも目を向けていることを明かした。「まずは我々の育成プールにある才能を重視するつもりだ。角田はシーズンの残りで、このチームに相応しい存在だと証明しなければならない」とホーナー。「アイザック(・ハジャー)も良い仕事をしているし、リアム(・ローソン)も本来の調子を取り戻しつつある。我々の中には有望な人材が揃っている」「ただし、常に外部の選択肢にも目を向けている。我々としては、来年最強のラインアップを揃えたい。ここ数年、プール外のドライバーを起用したこともあるし、必要と判断すれば、再びそうすることも躊躇わない」