角田裕毅は、2025年F1カナダGPの予選でQ2進出を果たし11番手タイムを記録したが、FP3中の赤旗違反により10グリッド降格のペナルティを科され、決勝は最後尾の20番手スタートとなる。レッドブル・レーシングの角田裕毅は土曜日のフリー走行3回目でブレーキトラブルに見舞われ、大半の走行時間を失った。セットアップの調整やアップグレードの確認に十分な時間を割けなかったものの、予選では一定の手応えを感じていたと語る。
「全体的に今日は厳しい一日でした。FP3でトラブルがあって、貴重な走行時間を失ってしまいました」「ただ、昨日から導入されたアップグレードはすごくポジティブな変化で、明らかにクルマのスピードが増しているのは感じられました。いくつかのコーナーで改善できるポイントも見つかりましたし、そこは前向きに捉えています」「FP2とは挙動が変わっていたので、まだクルマに対して完全に自信を持てているわけではないんですが、変更後のマシンでプッシュラップを数周しか走れなかったことを考えると、P11という結果は悪くなかったと思います」「チームもバランスの調整をしっかりやってくれて、Q3には本当にあと少しで届くところでした。それだけに、FP3の違反で10グリッド降格になったのはすごく残念です。最後尾スタートは厳しいですが、明日はできる限りポジションを取り戻していけるように全力で頑張ります」チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、角田裕毅のパフォーマンスを称賛しつつ、ペナルティの厳しさに疑問を呈した。「角田裕毅は今日は運がなかった。あのペナルティはかなり厳しい処分だと思う。予選では本当にいい走りをしていたし、あとわずかでQ3進出というところだった」「それだけに10グリッド降格は大きな痛手だが、仕方がない。彼は後方からでも戦えるドライバーなので、明日のレースでの巻き返しに期待している」決勝ではタイヤのグレイニングと気温上昇によるマネジメントが鍵を握ると予想される。戦略で不利なグリッドを挽回できるかが注目される中、角田裕毅はポイント圏内への大逆転を目指す。なお、問題となったFP3での赤旗中の追い越しについて、角田裕毅は状況を次のように説明した。「正直、いきなりで驚きました。まさかあの件でスチュワードに呼ばれるなんて思ってもみませんでした。あのときオスカー・ピアストリ選手が最終コーナーで大きなダメージを負っていて、バックストレートでは時速80キロぐらい、すごく遅く走っていました。しかもデブリをばらまいていたので、このまま後ろについていたらタイヤが外れて当たると思いました」「なので、周囲をしっかり確認した上で、できるだけリスクを避ける判断として右側から追い越しました。速度も170キロ程度で、普段の半分くらいです。でも、それがルール違反だったということになります」「ルールはルールですが、正直、このペナルティは不当だと感じています。本当にどうすればよかったのか、今でも分からないです。すごくフラストレーションがたまる状況でした」予選の内容については「まだこのマシンに完全な信頼があるわけではなく、時間が必要だった」としたうえで、「P11という結果には満足していませんが、バランス自体は悪くなかったですし、チームのサポートも素晴らしかったです」と語った。角田裕毅は不利な状況にもかかわらず、強い気持ちでレースに臨もうとしている。
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