角田裕毅が2025年F1シーズンにレッドブル・レーシングのシートに座るチャンスがやってくるかもしれない。レッドブルF1のアドバイザーであるヘルムート・マルコは、リアム・ローソンの成長を「3~5レースで見極める」つもりだと具体的な数値を口にした。経験豊富な角田裕毅を差し置いてレッドブルがリアム・ローソンを昇格させたことは多くの疑問の声を生んだが、注目が集まる開幕戦オーストラリアGPでローソンはマックス・フェルスタッペンから大きく後れをとり、予選ではQ1敗退を喫した。
一方、角田裕毅は下馬評に低かったレーシングブルズのマシンで予選5番手というパフォーマンスを見せて驚かせた。決勝では、リアム・ローソンが後方グループから抜け出せないまま単独スピンでクラッシュリタイアするという醜態を晒したことで角田裕毅にはアピールのチャンスだったが、残念ながら、レーシングブルズの戦略判断のミスによって12位でレースを終えた。レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は予選後に「彼は自分の力を示そうとしたが、残念ながらうまくいかなかった」とリアム・ローソンについて語った。「今は少し冷静になって、最初の3~5レースでの彼の成長を見守る必要がある」姉妹チームのレーシングブルズのマシンで素晴らしい走りを見せた角田裕毅のパフォーマンスを考えると、マルコの発言は不吉である。マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンは、皮肉を言わずにはいられなかった。「レッドブルでは、奇妙なドライバー選択をしているようだ。特に、裕毅のようなパフォーマンスを見るとね」と彼は語った。ハースのルーキー、オリバー・ベアマンもまた、シーズン開幕戦で散々なスタートを切った。「1つの週末に複数の事故を起こすなど、まったくもって受け入れられない」とマルコは指摘した。しかし、ベテラン中のベテランであり、F1史上最も成功したドライバーであるルイス・ハミルトンでさえ、メルボルンでは目立った活躍ができなかった。「フェラーリが競争力を重視しているなら、私は給料を大幅にカットして他のドライバーを雇っただろう」とアルピーヌのアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレはLa Gazzetta dello Sportに語った。しかし、ルイス・ハミルトンは謙虚だ。「ここでFP1に参加して、『よし、まだ先は長い』と気づいた」とハミルトンは語った。シャルル・ルクレールでさえも、フェラーリのペースの悪さに落胆している。予選7位で終えた後、彼は「最悪のシナリオでもはこんなことは想像していなかった」と語った。まだ24戦中1戦が終わっただけだが、ジョージ・ラッセルは2025年シーズンは基本的に終わったと考えている。「マクラーレンは他チームとの差が大きすぎるため、すでに開発を中止して2026年に完全に集中することができる」とメルセデスのドライバーは語った。メルセデス陣営が、2022年から2025年のルール時代を表彰台の最下段の尻尾を嗅ぐだけで終えることになりそうなことに深い失望感を抱いていると、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは感じている。「トト・ヴォルフはまたしても困惑した様子でカメラの前に立っていた」と、アルバート・パークでビルト紙に語った。「それにキミ・アントネッリのようなルーキーがいるのだから、楽観はできないだろう」だが、レッドブルのマルコは、週末のスタート時点ではマクラーレンとの差がかなり大きいように見えたものの、イベントが進むにつれて縮まったことに安堵している。「ヨス(・フェルスタッペン)は、我々がマクラーレンにコンマ5秒の差をつけられると思っていたから、私はすでに彼から500ユーロを勝ち取ったようなものだ」とマルコはデ・テレグラフ紙に語った。「バーレーンでのテスト日と比較すると、我々は大きな一歩を踏み出した」しかし、マックス・フェルスタッペンは予選後に「僕たちはマクラーレンのレベルには達していない。誰もそれに異論はないだろう」と主張した。